陶芸家というものに、「幻影」を見ていないだろうか?
自分が好きなのは、趣味だからであって、プロはそんな甘いものじゃないのでは?
いや!好きなことをやって生きていけるのは、最高だぞ。
僕が出会った人たちは、たまたま成功している人たちで、挫折した人たちもいるのでは?
・・・・・
でもやりたい。
やれるところまで、やってみたい。
明確に決断がつかぬまま、でもスイッチを入れなければならない時があるものです。
両親に、益子で陶芸家の修行をしたい、と伝えました。
「それで、食べていけるのか?」
正直わかりません。
でもわからない、ともいえない。
「夢だけで、食っていけるか?」
・・・
夢を追いたい。
僕は夢を追いたい。
ともかく、なんとか両親を説得し、益子に引っ越すことにしました。
晴れた雪の中、リュックを背負って出発しました。
母親は僕の姿が見えなくなるまで、外に立っていました。
冷たい空気を吸いながら、益子に向かって歩き始めました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まずアパートを借りて、製陶所の門をたたきました。
最初は断られましたが、お世話になったS氏の助けもあって、なんとか入門。
始めは、はたきがけとか物を運んだりとか下働きでしたが、徐々に仕事をさせてもらえるようになりました。
夕方仕事が終わってから、夜は自由に練習が出来たので、ろくろの練習。
以外に早く、2ヶ月目くらいから、ろくろをやってみろと言われ、サンプルを渡されました。
小鉢でした。
そうして、しばらくたった時、友人が結婚することになりました。
その友人は、工房付の部屋を借りていたのです。
窯もありました。
結婚を機にここを出るというのです。
「誰か入る人いるの?」
「いや誰もいない。」
「入れるかな?」
「大家さんに、聞いてみる。」
と言うことで、めでたくそこに入れることになりました。
昼は製陶所で働き、夜や休日は自宅で作陶できる。
さらに窯で焼くことが出来る!
この窯は、角窯と言っていまではほとんど使われなくなった窯です。
益子では、「いってこい」と呼ばれていました。
火が向こうに「いって」こちらに「もどってくる」構造からそうつけられたのです。
これがなかなか、迫力のある窯でして、
「ゴーーーーー」と地鳴りがするほど炎が出る窯でした。
窯詰め、窯出しも重労働でした。
燃料は灯油。
僕は少しずつ作品を作りためていきました。
続く
自分が好きなのは、趣味だからであって、プロはそんな甘いものじゃないのでは?
いや!好きなことをやって生きていけるのは、最高だぞ。
僕が出会った人たちは、たまたま成功している人たちで、挫折した人たちもいるのでは?
・・・・・
でもやりたい。
やれるところまで、やってみたい。
明確に決断がつかぬまま、でもスイッチを入れなければならない時があるものです。
両親に、益子で陶芸家の修行をしたい、と伝えました。
「それで、食べていけるのか?」
正直わかりません。
でもわからない、ともいえない。
「夢だけで、食っていけるか?」
・・・
夢を追いたい。
僕は夢を追いたい。
ともかく、なんとか両親を説得し、益子に引っ越すことにしました。
晴れた雪の中、リュックを背負って出発しました。
母親は僕の姿が見えなくなるまで、外に立っていました。
冷たい空気を吸いながら、益子に向かって歩き始めました。
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まずアパートを借りて、製陶所の門をたたきました。
最初は断られましたが、お世話になったS氏の助けもあって、なんとか入門。
始めは、はたきがけとか物を運んだりとか下働きでしたが、徐々に仕事をさせてもらえるようになりました。
夕方仕事が終わってから、夜は自由に練習が出来たので、ろくろの練習。
以外に早く、2ヶ月目くらいから、ろくろをやってみろと言われ、サンプルを渡されました。
小鉢でした。
そうして、しばらくたった時、友人が結婚することになりました。
その友人は、工房付の部屋を借りていたのです。
窯もありました。
結婚を機にここを出るというのです。
「誰か入る人いるの?」
「いや誰もいない。」
「入れるかな?」
「大家さんに、聞いてみる。」
と言うことで、めでたくそこに入れることになりました。
昼は製陶所で働き、夜や休日は自宅で作陶できる。
さらに窯で焼くことが出来る!
この窯は、角窯と言っていまではほとんど使われなくなった窯です。
益子では、「いってこい」と呼ばれていました。
火が向こうに「いって」こちらに「もどってくる」構造からそうつけられたのです。
これがなかなか、迫力のある窯でして、
「ゴーーーーー」と地鳴りがするほど炎が出る窯でした。
窯詰め、窯出しも重労働でした。
燃料は灯油。
僕は少しずつ作品を作りためていきました。
続く