栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

どんぐり森の陶芸家2

2007-03-12 22:15:45 | 石膏型陶芸
月明かりのした、荷車を引く影がありました。
やや・・・これは・・・

「まてーまてまてー。」
「・・・」
つちのこ太郎とロクロ之助が走ってきます。
「そのまきをどうする気だ!」
「・・・」
「壷のおじちゃんが、困ってるんだぞ!」
「かえせ、かえせ!」

黒い男はだまったままです。
良く見ると・・・
「あれー・・・壷のおじちゃん?」

「おれは、影だ。・・・」
「影?」
「おれは、ダテコ氏の影だ。」

土の子太郎とロクロ之助は顔を見合わせました。
「おじちゃんの影が、なんでまきをはこんでるの?」

「影の国の、まきがたりない・・・」
「おじちゃんが、困ってるぞ!」と土の子太郎。
「大丈夫だ・・・夜が明ければ・・・」
そう言うと、影とまきの荷車はすーと消えてしまいました。
「ありゃりゃ?」

そのころダテコ氏は
「もう燃やす物がない。困ったぞ。」
と途方にくれていました。
さあ大変。
窯の炎はだんだん弱くなっています。
さあ、どうするダテコ氏!

つづく