栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

年の瀬の昔話

2010-12-22 15:18:17 | Weblog
最近ではどうなのか、ちょっとわからないけど

私が警察官をやっていたころ

年の瀬になると酔っ払いの数も増えたものだった。

交番所の前にタクシーが止まるとドキッとした。

乗せたお客さんが酔いつぶれて、どうにもならない。

なんとかしていただきたい。

そう言い残して、酔っ払いをおいてタクシーは立ち去るのであった。

制服姿を見て正気を取り戻すひともいれば

なにか恨みでもあるのか、くだをまく酔っぱらいもいた。

あるいは、もう会話が成立しない、何を言っているのかわからない酔っぱらいもいて

ソファーで眠り始める始末。

風邪でもひいて、警察のせいだと言いがかりをつけられるのもいやなので

何かかけてあげたいのだが、あいにく交番所にそういう用意はない。

仕方が無いので新聞紙をかけてあげた。

これでも何も無いよりはましだろう。

当時の日本の行政というのは、そんなものだったのですよ。(笑)

ところが、黙って寝ていれば良いのだけれど

寝返りをうって、新聞紙が落ちるのです。

そのたびにかけてあげるのだけれど

こっちは仕事にならない。

しょうがないので、セロテープで留めてみた。

・・・う~む。

幼稚園生の工作みたいになってきた。

足の方もくるんでみたらどうだろう?(笑)

創作魂に火がついてきた。

目だけ穴をあけて、顔まで覆ってみたらどうなるだろう?

マジックでヒゲを書いたらどうなるだろう?

そういうことをやっていたら

「どんぐりまん君何をやっているのかね?」

「あ!部長!」

「いや、あの、風邪をひいてはいけないと思いまして・・・」

「顔は出しておいて良いのじゃないかね?」

「は・はい!」

内心、毛布くらい用意しておけよ。と思いつつ

若いおまわりさんは仕事にもどったのでありました。

・・・

警察官を続けていなくて良かったのかもしれん。