栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

街カフェ

2014-12-05 22:18:03 | 雑記
最近はコンビニエンスストアでいれたてのコーヒーが飲めるようになった

先日出かけた先でコーヒーが飲みたくなり

「そう言えば、この先にコンビニがあるからそこで飲もうか。」

と妻に言った

「いいわね。」

車のハンドルを左に切り、すこし行くとコンビニが見えて来た

「おお!あったあった。」

「なんだか様子がおかしくない?」と妻が言う

右側にウインカーを出そうと思いながらよく見ると

「おでん」ののぼりが沢山出ているが

「街カフェ」とか「いれたてコーヒー」などと言う文字は1つもない

おでんには申し訳ないが、今欲しいのはコーヒーなのだ

缶コーヒーなどはもちろん置いてあるだろうが

いれたてコーヒーが飲みたいのである

100歩譲ってもおでんではないのである

大根やゆで卵やこんにゃくや竹輪などがオールスターで

「うっふ~ん♡よってかな~い。」

などと誘っても

コーヒーの代わりにはならないのである

「じゃあ~…。餅巾着もいれてあ・げ・る♡♡。」

「そ・それじゃ・・・い・いや。止めとく。今度ね。」

妻がとなりで、私のももをつねるのであった

ファミリーマートの前をスルーし

この先の十字路を右に曲がるとセブンイレブンがあったはずだ

・・・

おお!あったあった

しかも「街カフェ」ののぼりが元気にひるがえっているではないか

よしよしと大きく頷きながら店内に入って行くと

すぐ目の前に真新しいドリップマシンが鎮座している

料金を払い、カップを受け取りマシンにセットする

「ただいま豆を挽いています」

などと小さなモニターに表示される

「おお!そうか、そうか。そんなことまで教えてくれるのか。ずいぶん丁寧なもんだ。」

と思いながらも

本当に挽いているの?さして音もしないし、中も見えないし…

あえて「ただいま豆を挽いています。」と出てくるのが逆に怪しい

などとも思ったりする

おじさんは疑い深いのである

そのうち

カップの中に黒い液体が落ちてきた

カップに一杯になり落ちるのが止まったようなので

フタを開けようとすると「ん?開かないぞ。」

よく見るとまだ「抽出中」と出ている

おじさんは、疑い深いがせっかちでもあった

隣にいた良い匂いのする紳士が

その一部始終を見ていて

「ミルクはこれですよ。」と教えてくれた

その紳士もコーヒーのカップを携え

格好良いスポーツカーに乗って立ち去った

コーヒーと

そしてまだ僅かに良い香りが残る中

疑い深いおじさんは店を出たのでした