ここのところ、コロナの影響で、市の図書館が休館しています。
それで、本を借りに行くことも出来ませんから、本を読むこともできません(-_-;)
そこで、手持無沙汰ですので、ブログに伊万里の紹介でもしようと考えついたわけです。
何を紹介しようかな~と思案しましたが、最近、ネットに、伊万里の色絵の半製品が紹介されていたことを思い出し、「そういえば、確か、我が家にもあったな~」と思い至り、それを紹介しようと思いたった次第です。
伊万里 色絵の半製品大角皿(表面)
口径:29.0×29.4cm 高さ:4.9cm 高台径:15.8cm
製作年代:明治時代
裏面
斜め上から見た裏面
この大角皿は、3年程前に、或る競り市で競り落としてきたものです。
発句も安かったのに、誰も槍を入れる者がいませんでした(-_-;)
やはり、色絵製品を作る過程の色絵素地ですものね(><) 色絵の半製品ですものね(><) 「こんなもの!」という感じで、相手にされなかったんですね(><)
もっとも、以前は、これよりはもちょっと古いものではありましたけれど、江戸後期くらいはある古伊万里の色絵の半製品ともなれば、結構注目され、市場ではまぁまぁな値段で売られていたんですがね、、、。
そんなこともあって、「このまま誰も買わなければ、この大角皿は、この世から抹殺されてしまうのかな~」、「それでは可哀そうだな~」と思うようになってきました。
それで、「伊万里にはこんなものもあるんだよ、という参考資料にする意味で買っとくか! しかも安いし」と決意し、槍を入れ、落札したわけです。
ところで、この大角皿は、色絵は付いていませんが、なんとなく、色絵を付けた後の完成品を想像できますよね。中には、どんな色絵の半製品なのか、皆目見当も付かないものもありますけれど、、、。
また、この大角皿を見ていますと、この角皿は、「なぜ、色絵を付加されないままに放置されてしまったのかな~」との疑問が生じます。
下の写真から分かりますように、皿の左側中央部にかなりの降り物がみられますね。それで、このような状態のものに色絵を付加して完成させても、結局は疵物になってしまうので、このままの状態にされてしまったのかな~とも思いました。
でも、それにしても、何故、これまでに廃棄されることもなく、無事に生き残ってきたのかな~との、更なる疑問も生じてきます。
焼き上がったとき、窯元が、「捨てるのは勿体ないな。普段使いにしようか」と思って、たまたま、窯元の手元に置かれたので残ったのだろうか、、、。
或いは、このままの半製品でも、儲けは少ないけれど、なんとか市場で売れたので、世の中に残ったのだろうか、、、。
そんなことで、いろいろと想像させてくれる大角皿ではあります(^-^;
いろいろと、そんなことを思って楽しんだだけでも、もう、元は取れたのかな~と思っている大角皿ではあります(^^;
追記(令和2年5月3日)
この大角皿を紹介したところ、森川天さん(趣味で古い唐津焼の研究をされており、焼物の製作現場の事情にも精通しておられる方)から、次のようなコメントをいただきました。
「 半製品 は、手違いで世に出たイメージがありますが、それは、「色絵素地」と呼ばれ、この状態で流通したんですね。染付まで出来た状態で色絵屋に工程が移りますが、余分に作って、余った分はそのまま流通に乗っていたようです。」
森川天さん、ありがとうございました。これで、なぜ、結構な数の伊万里色絵の半製品が残存しているのかの謎が解けました(^-^;