今回は「伊万里 染錦梅花文丸皿」の紹介です。
ところで、私の場合は、普通、口径が24cmほどの伊万里の皿を紹介する際には、「〇〇文中皿」というように表示し、「〇〇文丸皿」というようには表示しないんですが、この皿の場合は、箱に、「伊万里 染錦梅花文丸皿」と表示されていましたから、その箱の表示名をそのまま書きましたので、このようになりました。
また、文様も、いろいろと描いてあって、どの様な名前にすればよいのか迷いますが、これも、箱に「梅花文」と書いてありましたので、そのようにしました。
それはともかく、この丸皿は、3年ほど前の平成29年8月、私がいつも行っている古美術品交換会で落札してきたものです。
私は、染錦というものをあまり好きではありませんし、また、この丸皿には古さを感じませんでしたから、是非にでも買いたいという気にはなりませんでした。
でも、この丸皿には、新しい桐箱まで設えられていたんです。売主には、この丸皿を、いかにも旧家の深窓のお嬢様のごとくに仕立て上げ、少しでも良いところに縁付けようという熱意が感じられました(^-^;
もっとも、それは、ちょと低級な表現になりますが、「馬子にも衣裳」にも通じますよね。馬子に立派な衣装を着せ、外見だけでも、馬子を立派な人間に仕立て上げようという魂胆ともとれますよね(-_-;)
しかし、ちょうど8月の夏枯れの時期で、骨董も夏枯れで、他に、やはり、それほど欲しい古伊万里も登場してきませんでした(-_-;)
そんなことから、私には、売主がこの丸皿のために新しい桐箱まで設えた熱意が伝わってきましたし、夏枯れで他に是非にでも買いたいという古伊万里も登場してきませんので、だんだんと、「この丸皿でも買うか」、「この丸皿しか買うものがないか」という心境になってきました(-_-;)
ということで、ついに、落札することを決意して手に入れたものです。
いわば、この丸皿は、「でも、しか買いの丸皿」ですね(笑)。
新しい桐箱が設えられていました。
箱には「伊万里 染錦 梅花文 丸皿」と書かれています。
表面
裏面
<製作年代>
売主としては、新しい箱も設え、外見を立派にし、高級品に仕立て、また箱の中には古い布まで入れて古く見せかけ、江戸時代はあるように仕立てたんでしょうけれど、幕末までも届かず、明治時代というところでしょう。
追記:令和2年5月22日
これをアップしてから、或る方から、「製作年代を明治にしては可哀想ではないでしょうか。幕末はあるのではないでしょうか」とのコメントをいただきました。私としてもそれに賛同したいと思いますので、この丸皿の製作年代を「江戸時代後期」と変更したいと思います。
<サイズ>
口径:24.5cm (伊万里の場合、口径が3寸、5寸、7寸、1尺というものが多いんですが、これは、珍しく8寸となっています)
高さ:4.5~4.8cm(若干の歪みがありますので、一定ではありません)
高台径:12.5cm