今回は、「伊万里 金襴手石畳乗馬人物文輪花形小皿」の紹介です。
ここのところ、小皿の紹介ばかりが続きますが、我が家には小皿のコレクションが多いものですから、いきおいそのようになってしまうようです。ご了承ください。
もっとも、考えてみれば、現代でも、各家庭で所蔵している陶磁器では、小皿の数が一番多いと思うんですよね。それは、昔の家庭でも同じだったと思うんです。そうであれば、現代まで伝世している陶磁器では、小皿が一番多いということになりますよね。その結果、骨董の市場に登場してくるのも小皿が一番多く、私も、それを買ってくる場合が多いので、結局、我が家のコレクションの中では小皿が一番多いという結果を招いているわけです。
前置きはそのくらいにして、さっそく、「伊万里 金襴手石畳乗馬人物文輪花形小皿」を紹介します。
小皿全体の表面
これは、「金襴手」と言われるだけあって、金襴緞子を見ているかの如くで、艶やかであり、華やかです。
でも、海外輸出用のキンキラキンの「金襴手」とは違って、どこか、落ち着きのある艶やかさであり、華やかさです。たぶん、これは、国内の富裕層向けの高級食器だったのでしょう。
この小皿は、全体的に見ても、艶やかであり、華やかですが、部分的に見ても、艶やかであり、華やかです。
見込み面に描かれた石畳文も、色彩豊かで、文様もバラエティー豊かで、艶やかであり、華やかです。
見込み面に描かれた石畳文の部分
周辺には、馬に乗った人物が描かれています。その人物は2個所に描かれていますが、それぞれ、背景の染付文様が異なっています。
馬に乗った人物文の部分 (その1)
馬に乗った人物文の部分 (その2)
ところで、ここで、馬に乗った人物を子細に見てみますと、騎馬武者ではないようですね。私は、騎馬武者が描かれているものとばかり思っていましたので、いささか拍子抜けでした(-_-;)
よく見ますと、お坊さんのような人物が描かれています。ということは、この小皿は、裕福な、上級武士向けにつくられたものではなく、寺社向けにつくられたものなのでしょうか、、、?
周辺には、もう1種類、馬に乗った人物文の他に2個所に花が描かれています。よ~く見てみますと、花は、2種類描かれているようです。1種類目の花は椿とアヤメでしょうか、、、? これまた、金を多用し、絢爛豪華の極みです。
椿とアヤメを描いたと思われる部分
2種類目の花は、牡丹とアヤメを描いたのでしょうか、、? こちらも、金を多用し、絢爛豪華の極みです。
牡丹とアヤメを描いたと思われる部分
それに反し、裏面は、無文で、あっさりしています。
しかし、薄作りで、造形は厳しく、高台内に描かれたクッキリとした二重角福銘は、自信のほどを伺わせます。
裏面
ただ、残念ながら、口縁に補修の跡が見られます。しかし、その補修跡は、表面からはほとんど見えませんので、鑑賞には支障がないようです。
口縁には、何個所か、補修した跡が見られます。
製作年代: 江戸時代中期
サ イ ズ : 口径:14.5cm 高さ:3.5cm 高台径:7.1cm