今回は、「瑠璃釉 蓋付小壺」の紹介です。
立面
蓋を外したところ
壺の内側
内側にも薄瑠璃が塗られています。
壺の底面と蓋の裏面
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代前期
サ イ ズ : 口径;5.4cm 最大胴径;10.7cm 底径;6.5cm 高さ(蓋共);13.0cm
蓋口径;5.9cm
この小壺には、たっぷりと瑠璃釉が掛けられています。外側に厚くたっぷりと濃い瑠璃釉が掛けられているだけでなく、壺の内側には薄瑠璃釉が塗られています。正に瑠璃釉づくしで、「ザ・瑠璃釉」といったところでしょうか!
どうしてこんなにふんだんに瑠璃釉を使ったのでしょう。瑠璃釉は、当時は、中国から輸入した染付の原料の呉須をたっぷりと使わなければ出来なかったはずで、国内産の山呉須を使ったのでは、多分、出来なかったと思います。
また、この小壷は、まるで青磁を作るかのような手法で作られています。
素地は鉄分を含んだ赤味で、そこに厚く瑠璃釉が掛けられているわけで、ちょうど青磁を作るのと同じ感じです。青磁は、ボデーにタップリと上釉を掛け、ボデーの鉄分と上釉の鉄分との微妙な化学変化を利用して作るらしいので、今でこそ青磁は青磁釉というような化学薬品を使って簡単に作れますが、昔は、作るのが大変難しかったようです。
それに反して、瑠璃釉の場合は、それほど技術的困難性はなかったようですが、原料代が高くついたはずですね!
それを考えますと、この小壷は、原価を度外視しして作られた、破格の作行きであると言えるかもしれません(^_^)