エネルギーのお話をお聞きしました

2011-10-10 04:14:49 | 議会活動


10月7日に環境活動家で未来バンク理事長の田中優さんの講演をお聞きしました。田中優さんはエネルギー問題や原発問題で様々な情報発信をされており、先日は上田の市民大学でもお話をされていました。

田中さんがおっしゃったことをまとめると以下の通りです。

(1)原子力のコストは従来は5.9円で一番安いとされていたが、発電費用、バックエンド費用、立地自治体への補助金などの費用、技術開発補助金、賠償などのリスク費用を加算すると15.8から20.2円となり、すべての中で一番高くなる。

(2)原発をなくし自然エネルギーに変えていくということは非現実的。まず電気を減らすことが必要。今年は昨年に比べ20%近い節電を実現し原発がなくてもやっていけることを実証した。その上で徐々に自然エネルギーに転換してゆくことだ。

(3)原発をなくせば電気は足りないと言うが、問題なのは最大ピークにどう対応するかということだ。最大ピークは1年間8760時間のうち10時間だけだ。それは夏場、平日、午後1時から2時、気温が32度を超えた時だ。その需要は家庭用ではなく事業だ。

(4)ピーク電力を抑える政策が必要になる。そのためにはこれまでのような必要なだけ電気を供給する(サプライサイド・マネジメント)というスタンスではなく、供給にあわせて電気を賢く使うという姿勢(デマンドサイド・マネジメント)が必要だ。

(5)そのためには使えば使うほど高くなるという電気料金の仕組みが必要だ。現在産業用電力は使えば使うだけ安くなるという仕組みになっており、本気になって節電に取り組む仕組みになっていない。そしてピーク時の電気料金をこれまでより高く設定することだ。省エネ家電への取替えも必要だ。

(6)自然エネルギーをさらに進めるためには3つの取組みが必要だ。第1に、自然エネルギーの全量買取制度だ。今は自然エネルギーをどれだけ買うかは電力会社にまかされており、それが自然エネルギーが普及しない大きな要因となっている。第2に、電気の発電・送電事業の分離だ。電力会社が送電網をにぎっていることが新規参入者への障害となっている。第3に総括原価方式の廃止だ。電力会社は電気事業固定資産の3%の利益が認められている。原発など巨大な施設を造れば造るほど儲かる仕組みになっている。それがすべて電気料金に上乗せさせられ、電気の値段を高くしている。

プロジェクターを使ったお話はとてもわかりやすく、まさに目からウロコの感を強くしました。

まちづくりには覚悟がいる!

2011-10-10 03:16:36 | 議会活動
この間協働のまちづくりを進めるために何が必要かということについて、お二人の市長・元市長のお話をお聞きする機会がありました。とても示唆に富んだお話しでしたのでご紹介いたします。

まず佐久市の柳田市長です。41才。井出正一衆議院委員の秘書から佐久市議1期、長野県議3期を経て市長になりました。昨年は市民会館建設の有無を問う住民投票を実施、事業仕分けにも積極的に取り組んでこられました。

柳田さんは「これからは税収が減って右肩下がりの時代になる。そんな時重要なのは納得社会をつくることだ。市民に対する説明責任を果たすことが大切であり、そのためには情報公開が欠かせない。そうすれば市民は正しい判断をしてくれる」と述べています。

もうおひとりは矢崎和広前茅野市長です。矢崎さんは44才で現職の多選阻止を掲げて市長選に立候補。48才で市長になり3期12年を努め、多選は良くないという信念のもと60才で退任。現在は県教育委員長としてご活躍です。市長時代は「パートナーシップによるまちづくり」を進めてこられました。

矢崎さんは「これからのまちづくりには市民一人ひとりが自ら考え、学び、選択し主体的な社会活動に結びつけて行くことが必要だ」と述べています。「市民主導、行政支援」という考え方から「白紙の状態で市民にお任せし、市長が責任を持って予算化し、実施においては市民と職員がともに汗を流すことが重要」としています。

そして「パートナーシップによるまちづくりを進めるためには行政も市民も覚悟がいる」とおっしゃいます。「自ら知恵を出し汗をかくということは市民にとっても正直しんどい。行政にやってもらった方が楽だという人も出てくる。まさに正念場」です。

そこを乗り越えるためにはまず第一に情報公開が大切だと指摘されます。既得権を主張しこのままでもやっていけるのではないかという危機意識のなさが問題だと言います。市民に情報を公開し危機意識を共有することが大切だと言います。第二に、どのようにしたらいいか具体的に示し、汗をかけば必ず報われるということを分からせることです。逆に汗をかかなければ何も実現しないということです。

お二人のお考えの中にあるものは市民に対する絶大な信頼です。情報公開し説明責任を果たせば市民はわかってくれる、そして正しい選択をし、ともに知恵を出し汗をかいてくれる、そして覚悟を持ちまちづくりを進める主体になってくれるというゆるぎない自信があります。

これからの私の進むべき道を指し示してくれるようなお話でした。

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