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10月7日に環境活動家で未来バンク理事長の田中優さんの講演をお聞きしました。田中優さんはエネルギー問題や原発問題で様々な情報発信をされており、先日は上田の市民大学でもお話をされていました。
田中さんがおっしゃったことをまとめると以下の通りです。
(1)原子力のコストは従来は5.9円で一番安いとされていたが、発電費用、バックエンド費用、立地自治体への補助金などの費用、技術開発補助金、賠償などのリスク費用を加算すると15.8から20.2円となり、すべての中で一番高くなる。
(2)原発をなくし自然エネルギーに変えていくということは非現実的。まず電気を減らすことが必要。今年は昨年に比べ20%近い節電を実現し原発がなくてもやっていけることを実証した。その上で徐々に自然エネルギーに転換してゆくことだ。
(3)原発をなくせば電気は足りないと言うが、問題なのは最大ピークにどう対応するかということだ。最大ピークは1年間8760時間のうち10時間だけだ。それは夏場、平日、午後1時から2時、気温が32度を超えた時だ。その需要は家庭用ではなく事業だ。
(4)ピーク電力を抑える政策が必要になる。そのためにはこれまでのような必要なだけ電気を供給する(サプライサイド・マネジメント)というスタンスではなく、供給にあわせて電気を賢く使うという姿勢(デマンドサイド・マネジメント)が必要だ。
(5)そのためには使えば使うほど高くなるという電気料金の仕組みが必要だ。現在産業用電力は使えば使うだけ安くなるという仕組みになっており、本気になって節電に取り組む仕組みになっていない。そしてピーク時の電気料金をこれまでより高く設定することだ。省エネ家電への取替えも必要だ。
(6)自然エネルギーをさらに進めるためには3つの取組みが必要だ。第1に、自然エネルギーの全量買取制度だ。今は自然エネルギーをどれだけ買うかは電力会社にまかされており、それが自然エネルギーが普及しない大きな要因となっている。第2に、電気の発電・送電事業の分離だ。電力会社が送電網をにぎっていることが新規参入者への障害となっている。第3に総括原価方式の廃止だ。電力会社は電気事業固定資産の3%の利益が認められている。原発など巨大な施設を造れば造るほど儲かる仕組みになっている。それがすべて電気料金に上乗せさせられ、電気の値段を高くしている。
プロジェクターを使ったお話はとてもわかりやすく、まさに目からウロコの感を強くしました。