保険金不正受給を常習的に行っていた自動車販売・修理会社の社長が記者会見に応じていた。
もっとも印象に残ったのは社長が「先月末の報告書を見るまでは諸々の不祥事実態について全く知らなかった」と言明していたことだ。
ただこういう事態を招いたお粗末なガバナンス体制で多くのステークホルダーに迷惑をかけたとして息子の副社長ともども明日付で役職を退任するとした。
記者団はその後「事前に何らかの不正(パワハラ行為を含め)を認識していたのではないか」について質問内容を変え食い下がったが社長は最後まで言質を与えることはなかった。
会見には次期社長となる専務や2人の幹部社員が同席したが前者は今後の心構えを述べるのみ、後者は調査中を理由に多くを語らず、だったので不正の全体像や経営層の関与については依然闇の中だ。
社長はあくまで自分のプライドに拘り自己保身を貫いたかたちだが当該会社については国交省が近くヒアリングを開始するとしているし、損保会社も訴訟の姿勢を明確にしているようだからいずれ全容が明らかになるだろう。
ただ役所も損保からも「面倒なことをしてくれたなぁ」との怨嗟の声が起きているに違いない。(笑)
1件当たりの金額は小さいし件数は膨大、チェック工数は計り知れないからねぇ。
いずれにせよこの出来事は(某損保OBの言葉を借りれば)「我々が想定していないことが現場で起きている」のである。
とにかく実態解明を速やかに進めて欲しいと思う。