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ゲイ・タリーズが、フラン・レボウィッツが
「本」への愛を語る!
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「ブックセラーズ」69点★★★★
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世界最大のNYブックフェアに潜入し、
本を愛し、売り、その文化を守っている人々(=ブックセラ-)数人にスポットをあて
掘り下げていくドキュメンタリーです。
本屋通りとして知られたNYの通りに
1950年代に368店あった古書店が
いまどうなったか――など
厳しい現状が語られるなかで
それでも「紙の本」を愛する人たちがいるんだよ、という事実と
ブックセラーたちが
この状況をどのように生き延びているか、が写されていきます。
ワシももともと紙の本好き、加えて
「神田神保町古書街(毎日ムック)」(毎日新聞社)の取材で
かなり神保町に通ったこともあり
本&古書に思い入れがあるので
とても興味深く観ました。
デジタル化が叫ばれて久しい現在も
しかしNYブックフェアは大盛況。
例えば、ビル・ゲイツが史上最高額で競り落とした
ダ・ヴィンチの「レスター手稿」とか
「不思議の国のアリス」のオリジナル手稿とか
実に興味そそられます。
さらに
装丁に人間の皮(!)を使った本や、美しい宝石をはめ込んだものなどなど
その価値が希少性とともに
アート&グッズ方面に転換しているなあ、という状況も感じる。
NYで本屋の上階フロアをアート販売にしている古書店など
「まさに神保町にある古書店そのもの!」って驚きましたよ。
(神保町って世界でも類を見ない”本の街”だと聞いたけど、ホントなんだ!)
そのほか
アメリカ在住のジャーナリストが
自身の執筆用に集めた資料が
そのままアーカイブとして大学図書館に収められた――なんて話には
うらやましいなと思ったり。
さまざまな人にインタビューしていて
あのゲイ・タリーズがちょろっと出てきたりするし
辛辣なエッセイストとして知られるフラン・レボウィッツ女史の
切れ味鋭いコメントが、おもしろい。
ただね、見ながら
本を愛する人々の情熱は
イコール、
もし本がなくなったら――という未来を予感しているのかも、という気もした。
この世界にたった一つ残った「紙の本」を奪い合うSF映画もあったよね。
だっけ。
近未来SFの世界がすぐそこにきている。
メディアのはしくれで生きてきた作り手としては
これからの世界にどう向き合うべきなのか――とか
いろいろ考えさせられた。
そして、いまも、考えてます。
★4/23(金)からヒューマントラストシネマ有楽町、シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。
※公開情報は各劇場のホームページなどでご確認くださいませ。
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