冒頭とラストが実に印象的でした。
「フェアウェル さらば哀しみのスパイ」66点★★☆
1980年代初頭。
ソ連の中心にいた幹部が
自らスパイとなった「フェアウェル事件」。
ソ連崩壊のきっかけとなった大事件ながら
ほとんど世間に知られていなかった話を
「戦場のアリア」の監督が
映画化したものです。
1981年、モスクワ。
フランスから出向中の家電メーカー技師
ピエール(ギヨーム・カネ)は
ひょんなことから
KGBの幹部グリゴリエフ(エミール・クストリッツァ)に出会う。
実はグリゴリエフは
ソ連の未来に行き詰まりを感じ
極秘情報をフランスに流しているスパイだった。
コトの重大さを知らずにスパイ活動を
手伝ってしまったピエールは
「もうやめる!」と騒ぐものの
次第にグリゴリエフの孤独で崇高な志に惹かれ
危険な仕事に足を踏み入れていく・・・・・・。
いわゆる「スパイ映画」からイメージすると
いっぷう変わった作品だと思います。
まず
主人公がいかにもスパイ然というタイプではなく
ギリギリ新聞の編集長?くらいの
ラフさと気負いのなさ。
演じるクストリッツァが渋い!のはいいんですが。
そしてまた
彼を手伝う一般人ピエールも
すご~く頼りなく
任務遂行もなんだかあっけない。
後半はぐんと緊迫感が出て
“らしく”なりますけどね。
ただ、この
「本当はやばくてスリリングな状況なんだろうけど
表面的には静かで
どこか実態のない、間の抜けた感じ」が
もしかしたら
東西冷戦時代の実体なのかもしれないと感じました。
また、劇中に
主人公が自分自身を重ねる
「狼の死」(アルフレッド・ド・ヴィニー 1843年作)
という詩が出てくるのですが
これが素晴らしい。
資料にあった全文をいま読んで
改めて体が震えました。
どこかで目にする機会があれば、ぜひ。
★7/31からシネマライズで公開中。ほか全国順次公開。
「フェアウェル さらば哀しみのスパイ」公式サイト
「フェアウェル さらば哀しみのスパイ」66点★★☆
1980年代初頭。
ソ連の中心にいた幹部が
自らスパイとなった「フェアウェル事件」。
ソ連崩壊のきっかけとなった大事件ながら
ほとんど世間に知られていなかった話を
「戦場のアリア」の監督が
映画化したものです。
1981年、モスクワ。
フランスから出向中の家電メーカー技師
ピエール(ギヨーム・カネ)は
ひょんなことから
KGBの幹部グリゴリエフ(エミール・クストリッツァ)に出会う。
実はグリゴリエフは
ソ連の未来に行き詰まりを感じ
極秘情報をフランスに流しているスパイだった。
コトの重大さを知らずにスパイ活動を
手伝ってしまったピエールは
「もうやめる!」と騒ぐものの
次第にグリゴリエフの孤独で崇高な志に惹かれ
危険な仕事に足を踏み入れていく・・・・・・。
いわゆる「スパイ映画」からイメージすると
いっぷう変わった作品だと思います。
まず
主人公がいかにもスパイ然というタイプではなく
ギリギリ新聞の編集長?くらいの
ラフさと気負いのなさ。
演じるクストリッツァが渋い!のはいいんですが。
そしてまた
彼を手伝う一般人ピエールも
すご~く頼りなく
任務遂行もなんだかあっけない。
後半はぐんと緊迫感が出て
“らしく”なりますけどね。
ただ、この
「本当はやばくてスリリングな状況なんだろうけど
表面的には静かで
どこか実態のない、間の抜けた感じ」が
もしかしたら
東西冷戦時代の実体なのかもしれないと感じました。
また、劇中に
主人公が自分自身を重ねる
「狼の死」(アルフレッド・ド・ヴィニー 1843年作)
という詩が出てくるのですが
これが素晴らしい。
資料にあった全文をいま読んで
改めて体が震えました。
どこかで目にする機会があれば、ぜひ。
★7/31からシネマライズで公開中。ほか全国順次公開。
「フェアウェル さらば哀しみのスパイ」公式サイト