主演・脚本の新鋭ブリット・マーリングに注目。
凄い才能ですよ!


「ザ・イースト」77点★★★★




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企業をテロ行為から守る
調査会社の調査員ジェーン(ブリット・マーリング)は


上司から環境テロリスト集団<イースト>への
潜入捜査を命じられる。

<イースト>は、海を原油で汚した石油会社などをターゲットに
過激な手口でテロ行為を行っている集団だ。

<イースト>に潜り込んだジェーンは

カリスマ性あるリーダー(アレキサンダー・スカルスガルド)や
彼に傾倒するイジ―(エレン・ペイジ)などに出会う。
彼らの「正義」を前に、
ジェーンは自分の信条を貫けるのだろうか――?!

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リチャード・ギア主演の「キング・オブ・マンハッタン」や
ロバート・レッドフォード監督の「ランナウェイ/逃亡者」に出演し
印象を残した、硬派美人女優


脚本・主演している作品。

女主人公の正義感、
説明最小にして畳み掛けるような展開とスリルなどが
「ゼロ・ダーク・サーティー」にちょっと似ていて、
そこに「マーサ、あるいはマーシー・メイ」の
カルト集団心理の怖さ

こりゃあおもしろいっす。


まず、テーマが
海鳥を油まみれにする石油企業や、毒を売る製薬会社などに
テロ行為を行う“環境テロリスト集団”っていうのが今日的でおもしろい。

彼らのテロを阻止すべく、主人公が
いちエコロジストを装って、組織<イースト>に潜入。

初めは「怪しさ満点な宗教団体?

いやいやこれが
彼らのやっていることにも一理あり、
次第にどちらが正義かわからなくなるんですね。

というか、ワシなんぞハッキリ言って
冒頭から
テロ組織側の肩を持ちたくなります。

まあ手段は過激としても
金と利益しか考えてない企業の肩なんぞ
誰が持つか?(笑)

それは主人公ジェーンも同じで
さあ、彼女はどっちの味方をするのか?


しかもスカルスガルド演じる組織のリーダーもなんだか魅力的で……と
グラグラ揺さぶられる。
ですが。
硬派な社会派映画?と思っていると
またちょっと違う方向に向かっていくんですよ。
発売中の『週刊朝日』ツウの一見でお話を伺った
コラムニスト・山崎まどかさんの解説が実に的を得ていて、引用させていただいちゃうと
「足払いをされる」という感じなんです。
「どんでん返し」とはちょっと違う、
ひっくり返され感がラストに待っている!

ザル・バトマングリ監督とブリット・マーリングは
非常に理知的な
映画の構築ができる人なのだと思う。


だからなんでしょうか、この映画
男性ウケがめちゃくちゃいいらしいですよ。
にしても、
ブリット・マーリングって映画やる前には
大手証券会社でインターンをして、内定が決まってたんだって。
どんだけ才媛なの?


★1/31(金)からTOHOシネマズシャンテ、シネマカリテほか全国で公開。
「ザ・イースト」公式サイト