ジョン・キャメロン・ミッチェル監督は
天使のような方でした……
「パーティーで女の子に話しかけるには」70点★★★★
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1977年のロンドン郊外。
エン(アレックス・シャープ)は
パンクに熱狂している男の子。
しかし内気で
パーティーで女の子に話しかけることもできない。
ある夜、エンは友人たちと
不思議な音楽を追って、ある屋敷にたどり着く。
そこでは見たこともないコスチュームの男女が
謎のパーティーをしていた。
そこでエンは美少女ザン(エル・ファニング)に出会い
恋に落ちる。
しかし
ザンにはある秘密が――?!
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「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の
ジョン・キャメロン・ミッチェル監督作品です。
ワシ、
「ラビット・ホール」(10年)はセリフをいまも引用するくらい好き。
「ショートバス」(06年)もすごく好き。
痛みを知る人の言葉は
いま痛い痛いと思っている傷に、やさしく効くんだよね。
そんな彼が撮った新作。
これが、しばしあっけにとられるほど、ぶっ飛んでました(笑)
宣伝ビジュアルからイメージする
ボーイ・ミーツ・ガール予想はあっさり振り切られ
パンク好きの男の子が出会う謎の美少女ザンは
あっさり宇宙人だし(笑)
パンク×宇宙ファンタジー×意外に王道のボーイ・ミーツ・ガール?!という感じ。
音楽も映像も、パンクはもちろん
70年代のサイケデリックふうな要素もあり
なかなか摩訶不思議
でも、魔法のように愛らしいエル・ファニングと
ボブ・ディランみたいなちょい古い顔の主人公の恋には
ちゃんと、胸キュン感があるんですよねえ。
それに
奇想天外に見えて
この物語には、現実社会へのメタファーが盛り込まれている。
ザンの仲間の宇宙人たちは
地球人を“異質なもの”として怖がっていもいて
ザンに「地球人と付き合っちゃダメ」という。
さらに
宇宙人同士の中にもそれぞれコミュニティーがあり、
互いに相容れない文化を持っていたりする。
異質なものを怖がり、排除し、分断する――
これって、現代社会とまるっきり同じじゃないですか。
宇宙人ザンと地球人エンの恋の行く先は
我々への希望となる
メッセージなのかな、と思いました。
来週、12/4発売のAERAにて
ジョン・キャメさんにインタビューをさせていただいております。
いや~めっちゃキュート!というと失礼かもですが
天使のような微笑みに、ノックアウト!
しかし
やっぱりパンクスピリット旺盛で
トランプ政権にも痛烈な批判を浴びせていらっしゃいました。
ぜひぜひご一読くださいませ~!
★12/1(金)から新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
「パーティーで女の子に話しかけるには」公式サイト