ミステリーが続きますな。
「ナイブズ・アウト/名探偵と刀の館の秘密」75点★★★★
************************************
その朝。
ミステリー作家として成功し、富を築いた
ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の豪邸に
悲鳴が響き渡った。
いつものように朝食を運んだ家政婦が、
ハーランの血まみれの遺体を発見したのだ。
前日、ハーランの85歳の誕生日パーティーが
盛大に行われたばかりだった。
ハーランの一族と関係者は
一人ずつ、事情を聞かれることになる。
その場には、警察だけでなく、
有名な名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)の姿があった。
なぜ、彼がこの事件の調査を?
そして、関係者の話をつなげていくうちに、
驚きの真相が明らかになり――!
************************************
もっとドタバタなコメディの効いたスリラーかと勝手に思ってたら
予想よりちゃんと構築されたミステリーでした。
しかも
本年度アカデミー賞で「脚本賞」にノミネート!
ミステリーで脚本賞って、まさに真骨頂というか
うん、その期待に応えてくれると思います。
ただ意外なことに、
最初から「すんごいおもしろい!」って感じじゃないんですよね。
巨額の富を築いたミステリー作家の、不可解な死。
そこに、名探偵ダニエル・クレイグが出張ってくるんですが
冒頭、各人への聴き込みはやや退屈だし
しかも
途中で早めに犯人、というか
ネタがバレる展開にも「え?」となる。
でもなあ、これじゃあなあ・・・・・・とまだまだ展開を期待したら、
やっぱり、しっかり「その後」があり、
転調があり。
おもしろかったです。
冒頭から、どうにもマヌケな役回りに見える
主人公探偵ダニエル・クレイグがどんどん盛り返してくる展開も、
ナイフにまつわる伏線も効いてる。
舞台となるお屋敷も
重厚でありながら、いかにもひとくせありそうな作家の住まいらしく
エキゾチックで奇妙な調度品の数々が飾られていて
目に楽しく、妖しな世界観を形作っている。
アガサ・クリスティー的な
よき時代の王道ミステリの雰囲気を存分にまといつつ
アメリカファーストなレイシズム思考など、
現代への揶揄や皮肉もたっぷりとまぶされているのが
いいね!でした。
★1/31(金)からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。