そうか
ラッセ・ハルストム監督って
「HATCI 約束の犬」(08年)もやってるんだ。
見てないけど。悲しすぎそうで。
「ザ・ホークス~ハワード・ヒューズを売った男~」58点★★☆
かの大富豪ハワード・ヒューズの
ニセ伝記を書こうとした
実在作家の回顧録が元です。
1970年代初頭のニューヨーク。
売れない作家
クリフォード・アーヴィング(リチャード・ギア)は
企画を出版社に持ち込んでは
ボツを食らい、意気消沈していた。
そんなとき、彼は
大富豪ハワード・ヒューズに目をつける。
ヒューズは隠遁生活を送っており、
実際に彼に会ったことのある人間は
ほとんどいないらしい。
誰もが知っていて、でも
誰も知らない人物――
これって最高のネタじゃね?
アーヴィングは
ヒューズに関する膨大な記事や資料をもとに
ニセ伝記を書こうとするのだが――?!
主人公の行いにはもう
「呆れた」の一言ですね。
しかも同業者(ライター)の所行だけに
余計むかっ腹が立つ(笑)。
名誉欲だけでインチキをして
ホークス=でっち上げな本を書くなんざ
チキンハートなワタクシには
想像もできませんよ。
ただこの話は、
70年代という時代背景に救われてますね。
盗難や文書偽造など
「もう犯罪じゃねえかコレ!」のレベルに至っても
さほどシビアでなく
街のおまわりさんを出し抜いた、くらいの
牧歌的なムードがある。
それに
どこでウソがバレるのか、ハラハラして見ていると
ひょっこりウソがマコトを生んだり、
思わぬネタが転がり込んできたりするというのにも
意外にリアリティがある。
可笑しかったのは
“本物”のジャーナリストが一目彼を見て
「あんた……ペテン師だね」と見破るとこですね。
わらた(笑)
しかし
肝心なインチキ主人公の
キャラが掴みにくいのがマイナス点。
どの程度、自覚してる悪人なのか?
動機はホントに名誉欲だけなのか?とか。
たぶん、高揚してるときだけは
ジャーナリスト気取りの浅いヤツなんだろうけど……。
(自分を振り返ってもそういうトコある。ゆえに痛い)
ゆえに
自らの嘘に飲まれていく
終盤の描写も弱い。
ただ
ライターって誰もがやはり
相当に苦労して「テーマ」を探すんだなあというのは
今さらながらへぇ、と思いました。
ネタは向こうから
飛び込んできてくれはしないのね、やっぱり。
がんばろう!(ん?)
★4/30からシアターN渋谷で公開中。ほか全国順次公開。
「ザ・ホークス~ハワード・ヒューズを売った男~」公式サイト