築地移転問題がまさか、こんな状況になろうとは
試写を見たとき、思いもしませんでした。
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「TSUKIJI WONDERLAND 築地ワンダーランド」74点★★★★
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遠藤尚太郎監督が
築地市場の1年を追った初のドキュメンタリー。
見ながらまずは
「日本人が撮ってくれてよかった!」とつくづく思いました。
英語タイトルで、映像もテンポもセンスいいし
「世界照準」なんだけど
“外国人向け”の日本紹介というわけじゃない。
映画の芯に、日本人の感性がしっかり発揮・発信されていて
ジーン、とくるんです。
そもそも
築地にこんなに長時間、カメラが入ることは
前代未聞だそうで
そこをクリアした監督は
150人以上の築地の人々にインタビューを慣行。
魚を売る仲卸(なかおろし)さんをはじめ、
著名料理評論家や「すきやばし次郎」の小野親子などスゴイ料理人
なんと「noma」のレネ・レゼピ氏まで
「うわお!」と唸る人々が登場し、
魚に人生をかける彼らの仕事ぶりの凄さ、真剣さに
感銘します。
さらに
市場内で子どもたちに食育をするシーンなど
「魚食文化を未来へ」という築地の“中の人”の切実な思いが
実に的確に捉えられている。
「なぜ、築地が特別なのか?」についての
山本益博氏の解説は、実にわかりやすかったなあ。
映画に移転問題についてはほとんど出てこないけど
撮影開始は2014年6月からの1年間で
状況を考えると、それは当然。
逆に
移転関連のニュースが日々溢れる今だからこそ
じゃあ「築地って、どんなところ?」を刻んだこの映画は
とても貴重だと思います。
取材で一緒になったカメラマンに勧めたところ
「泣きました・・・」との感想。
そう、日本人の心意気を感じて、なんか泣けるんですよ(笑)
ちなみに
「通販生活」今週の読み物サイトに
監督インタビュー記事、書かせていただいてます。
遠藤監督が、なぜ築地に受け入れられたのか?
この風貌と人柄で納得!かも(笑)
映画と合わせてぜひご覧くださいませ。
★10/1(土)から築地<東劇>で先行上映。10/15(土)から全国で公開。
「TSUKIJI WONDERLAND 築地ワンダーランド」公式サイト