公開延期とか
されなくてよかった。
「津軽百年食堂」70点★★★☆
お笑いコンビ、オリエンタルラジオを主演にした
ご当地ムービーです。
明治42年。
青森県弘前で
大森賢治(中田敦彦)は
津軽蕎麦の屋台を営んでいた。
そして現代。
賢治が興した「大森食堂」の4代目にあたる
陽一(藤森慎吾)は
故郷を離れ、東京で暮らしている。
父(伊武雅刀)との確執から上京し
大学は卒業したものの
就職はせず
自分の道を考えあぐねている陽一。
そんなある日、父が
交通事故で入院したとの知らせが入る。
陽一はとりあえず
故郷・弘前に帰ることにするが――。
現代を生きる陽一の時間軸を基本に
そこに百年前の
モノトーンの回想が挟まる構成。
いやいや
思ったとおり
メガネの藤森慎吾がいいじゃないですか!
父親に反発して東京に出てきたものの
パッとしない若者の風情を
ごく自然にまとっている。
彼の一昔前ふうのルックスも(笑)
大森一樹監督独特の
どこか懐かしい80年代っぽいテイストと
絶妙にマッチしていて
想像以上の効果を出していました。
前から藤森氏に注目していたのは
バラエティ番組でいじられて
相当に恥ずかしい局面になっても
かけられたハシゴを
降りようとはしないところ。
プロ意識もあるだろうけど
意外に骨があり
とにかく
素直な青年なんだろうなあと思ってた。
本作を観て、やっぱり確信。
役者として求められたものに素直に答え
場に溶け込もうとしている努力が
よくわかります。
まあ相方は
あの感じのままですが(笑)
ところどころ
展開が単純すぎたり
古くさい感じもしたけれど
そこもまずまず笑える程度。
野村宏伸の登場に
試写室で「おお!」と声があがったりもして(笑)
適度な懐かしさと
家族で見るのに最適な安定感がありました。
ロケには青森県が全面協力し
「大森食堂」のモデルになった食堂や
劇中に登場するカフェなども実存してる。
3.11の前、試写で観たときは
考えもしなかったけど
震災後のいま
こうした「ご当地ムービー」は
復興を目指す現地にとっても
それを支える我々にとっても
ひとつの光になるのかなと思います。
がんばれ、東北!
★4/2から有楽町スバル座、シネマート新宿ほか全国順次公開。
「津軽百年食堂」公式サイト