視覚センスのよさは
さすが北欧。
「シンプル・シモン」59点★★★
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スウェーデンに住む
18歳の青年シモン(ビル・スカルスガルド)は
アスペルガー症候群。
触られることが嫌いで
自分のペースで生きるシモンを理解してくれるのは
兄のサム(マッティン・ヴァルストレム)だけだった。
だがサムが恋人にフラれ
自分のペースを守れなくなったシモンは
「サムに“完璧な恋人”がいればいいのだ!」と
勝手に兄の恋人探しをし始めるが――?!
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スウェーデン生まれのアンドレアス・エマーン監督、
25歳で撮った長編デビュー作。
なかなかイケメン監督で(笑)
さらに
シモン役のビル・スカルスガルドは
アレクサンダー・スカルスガルドの弟だったり
美術や小物、画面構成、
どれもさすがのセンスだったり
北欧の“いいとこ”がいっぱい入ってると思います。
それに
アスペルガーの特徴がよく観察され、
描かれているなあと思った。
自分なりのルールが絶対で
予定を急に変えられたりするのが苦手とか
人の気持ちを察したりするのがうまくないけど
数学や方程式に強いとか。
そうしたシモンのこだわりなどの特徴を
「困った」ものだけにしないという
いろんな工夫がされているのも上手で
例えば
丸い形を好むシモンの趣向に合わせて
丸くくり抜かれたトーストや料理を作ったり(可愛んだコレが。笑)
彼の特徴的な動作をじっくりと描くことで
「この“パターン”が彼には必要で、安心なんだ」と
見ているうちに、我々がだんだんシモンを理解できていく、
そんな作りにしてあるんですよね。
なかなかうまいんです。
ただ、
そうしたシモンの特徴をユーモアに絡める試みなんですが、
肝心のユーモアがさほど面白くない(苦笑)
そこは残念。というか、センスの違いかな。
★5/3(土)からユーロスペース渋谷ほか全国順次公開。
「シンプル・シモン」公式サイト