これは満足度高し!
アカデミー賞作品賞は納得、だと思います。
「グリーンブック」80点★★★★
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1962年のニューヨーク。
ナイトクラブの用心棒トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は
ハッタリと腕っぷしで重宝されている。
が、ナイトクラブの閉店で、
トニーは別の仕事を探さねばならばならなくなった。
そんな彼が面接に行ったのは
黒人ピアニスト、ドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)が住む高級マンション。
ドクターは南部をまわるコンサートツアーの運転手兼用心棒として
トニーを雇おうとする。
黒人に偏見を持つトニーは一度は仕事を断るが
偏見のない良妻(ドロレス・バレロンガ)の後押しもあり
しぶしぶ仕事を引き受けることに。
こうしてツアーがはじまるが
英才教育を受け、上流社会で生きてきたドクターと
ガサツで無学なトニー。
凸凹コンビの道中は、想像以上にトラブルだらけで――?!
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これはおもしろい映画ですぞ。
先のアカデミー賞で作品賞含む3部門受賞。
もし観客賞あったら、たぶんこれが獲ってると思うし
納得でした
1962年。黒人差別がいまだ根強い米社会で
天才黒人ピアニストが、
雑〜なイタリア男と演奏旅行に行くが――⁈という話で
しかも実話が基。
お金持ちだけど孤独なピアニストと
ガサツで無学な用心棒。
出自も、教養も、品性も違えば、
モラリストかハッタリ屋か、も違う
何もかもが正反対な彼らの、凸凹っぷりがおもしろい“バディムービー”だとは想像できますが
これが
予想以上にコクがあり、幾重にも重なったうまみと深みがあり
さらにたっぷりの笑いがあって最高でした。
なにより、ヴィゴ・モーテンセンが
こんなに笑いと味ある出っ腹のおっさんになりきるなんて!
品格あるピアニストに扮したマハーシャラ・アリも素晴らしいし
(祝・助演男優賞!)
ケンタッキー・フライドチキンのエピソードや
ドクターがトニーの気持ちを代弁して書かせる奥さんへの手紙、など
実話がまれに陥りがちな、ある種の“かせ”にも収まらず、
笑ってグッとくるエピソードと、それをなすキャラを
ちゃんと映画的に輝かせている点が
とてもよいと思いました。
受賞ホヤホヤのタイミングでの公開も
ベストになってよかった!
★3/1(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか、全国で公開。