漂う懐かしさと古風さは
北杜夫原作だからかあ、と。
「ぼくのおじさん」68点★★★☆
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小学4年生のぼく=雪男(大西利空)は
「自分のまわりにいる大人について」という
作文の宿題を出されて考え込んでいた。
公務員の父(宮藤官九郎)や
専業主婦の母(寺島しのぶ)では
つまらなくて、てんでネタにならない。
が、そうだ!
うちには居候している父の弟
“おじさん”(松田龍平)がいるじゃないか!
大学の非常勤講師をしているおじさんだけど
ほとんど万年床でゴロゴロ。
漫画ばっかり読んで、くだらないイタズラをしては
ぼくのお母さんに叱られている。
ぼくはそんなおじさんをネタに
作文を書くことにしたんだけれど――?!
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「オーバー・フェンス」が発表されたばかりの
山下敦弘監督の新作。
ダメなおじさん(松田龍平)をフォローする
甥っ子・雪男(大西利空)のあきれ顏やふるまい
そして
松田龍平氏のトボけた間や古風な言葉使いが
ホカホカと可笑しく
楽しめる作品でした。
ただね
映画のほとんどが
その
松田龍平氏のトボけた表情や間、
甥っ子・雪男がダメなおじさんをいさめる視線のおもしろさで
成り立っていて
役者のキャラクターに負いすぎかなあとも思ってしまう。
映画全体も
あくまでも小4の雪男の作文目線というか
あまり奥までは語らないんですよ。
ハワイまで行っちゃう?!というぶっ飛びさも
ヒロイン・真木よう子さんの背景や、おじさんとの間柄も、
ちょっと噛み足りないかなあとは思いました。
wikiによると
原作は1962年から連載され、1972年に発表されたそう。
やっぱりジャック・タチ「ぼくの叔父さん」(1958年)、よぎってるよね。
★11/3(木・祝)から全国で公開。
「ぼくのおじさん」公式サイト