「ハンガー・ゲーム」シリーズの監督なんだね。
なるほど、ドラマの盛り上げ方がうまーい。
「レッド・スパロー」73点★★★★
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ボリショイ・バレエ団のバレリーナ
ドミニカ(ジェニファー・ローレンス)は
あるときステージで大けがをし、将来をたたれてしまう。
絶望のなか、彼女には
ロシア情報庁の幹部である叔父(マティアス・スーナールツ)の紹介で
スパイ(=スパロー)の養成学校の門をくぐる。
そこはターゲットを誘惑し、心理操作をするテクを学ばせる
“ハニートラップ“スクールだった――!
過酷な訓練を経て
ドミニカは持ち前の身体能力と、鋭い洞察力で
“スパロー”へと変身していくが――。
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これは予想以上におもしろかった。
戦闘メインのスパイアクションものではなく、
心理描写が深めで、ストーリーがしっかりしていること、
そして
敵味方が入り乱れるスパイものにしては
いい意味で「わかりやすい」のがいい。
「ハンガー・ゲーム」シリーズの監督だと知り、なるほど。
ヒロインが「そうせざるを得なかった」事情を描きこみ、
観客の心を掌握し、 かつドラマの盛り上げが上手。
役者の配置も絶妙で
シャーロット・ランプリングを
冷血なスパイ養成学校の監督官にするなんて、やるう。
そしてなんといってもジェニファー・ローレンス使いに長けている!(笑)
感情を殺した人形のような冷たさ、美しさ。身体能力も抜群で
かつ、センシティブな内面も感じさせ、
「彼女は、相手を騙してるのか? それとも本心なのか?」という
ハラハラが見ものでした。
原作を書いたのは元CIA捜査官で
実際にハニートラップ養成学校も、スパローも存在するんだそう。
「人も国の財産」なロシアで生き残るには
これほどの強さとスキルが必要なのか、と。
来週4/7公開の「ラブレス」で
ロシア鬼才、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督にインタビューしたのですが
彼は 「ロシアは個人を大事にしない国」だと言っていた。
そんな言葉が、この映画を見ながら、ふと蘇ったのでした。
★3/30(金)から全国で公開。