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米で公立図書館が
ホームレスの避難所になっている現実に着装を経た作品。
「パブリック 図書館の奇跡」71点★★★★
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米オハイオ州、シンシナティの公共図書館で働く
図書館員スチュアート(エミリオ・エステベス)。
仕事にも人にも実直な彼は
毎朝、開館とともにやってきて閉館までを過ごす地域のホームレスたちとも顔なじみ。
一般客の迷惑にならないように微妙な配慮をしつつ
ホームレスたちともうまくやり、なんとか均衡を保っていた。
が、ある寒波の夜。
図書館の外で寝ていた顔見知りのホームレスが凍死したことに
スチュワートは衝撃を受ける。
そして次の夜。
閉館しようとしていた図書館で、スチュワートは常連のホームレスから
思わぬことを告げられる。
「今夜は帰らない。ここを占拠する」――――。
そして、なりゆきから
70人のホームレスたちとともに
図書館に立てこもることになったスチュワートだが――――?!
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昨年、予想外の大ヒットとなった
フレデリック・ワイズマン巨匠のドキュメンタリー
この映画にも図書館がホームレスの避難所になっているという話が登場していまして
ハッ、なるほど。。。と感じたのですが
その現実に着装を経て、
俳優のエミリオ・エステベスが主演&監督したのが、本作。
寒波の夜、図書館に立てこもったホームレスたちと、
彼らに味方した図書館職員スチュアート(エミリオ・エステベス)の一夜を描くのですが
そこに
次期市長をねらう嫌味な検察官(クリスチャン・スレイター)
ホームレスになった息子を探す刑事(アレック・ボールドウィン)、
そして
スチュアート自身にも実はある過去があった――――と
三者のドラマが絡み合っていく、という構成です。
凍死者が出るほどの寒波なのに、シェルターは満杯。
そんなホームレスたちを放っておけない図書館員スチュワートは
「代わりの避難場所」を求める
平和的なデモとして「占拠」を始めたのですが
しかし
政治的なイメージアップをもくろむ検察官の偏った主張や
メディアのセンセーショナルな報道によって
スチュアートは心に問題を抱えた「アブない容疑者」に仕立てられてしまう。
やがて警察の機動隊が出動。
追いつめられたスチュアートと
ホームレスたちが決断した驚愕の行動とは――――?!とハラハラの展開。
正直、「映画」としては全体にもうひとさじ、なにかが欲しいところではある。
あるのですが、それでも
いやいや、十分にハイクオリティではあって。
驚愕の収束法もおもしろく、ハッとさせます。
なにより、いい題材を使い
すごく入り込みやすく、社会問題を考えさせてくれるなと。
ここから先、問題の深部へ進むかは
観る我々に委ねられているんだなと
思うのでありました。
★7/17(金)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
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