闇とネオンと滴る雨が、艶っぽいんだわー。
「鵞鳥湖の夜」71点★★★★
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2012年、中国南部。
再開発から取り残された鵞鳥湖の周辺では
ギャングたちの縄張り争いが激化していた。
バイクの窃盗団を率いていたチョウ(フー・ゴー)は
対立する相手とのもめ事に巻き込まれ、あやまって警官を射殺してしまう。
全国に指名手配されたチョウは
せめて元妻と息子に、自分にかけられた懸賞金を残そうと考える。
が、チョウの前に現れたのは
妻の代理と名乗る謎の女(グイ・ルンメイ)だった――。
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「薄氷の殺人」監督によるノワール・サスペンス。
中国南部。湖の周りの、さびれたリゾート町。
逃げる裏社会の男が謎の女と出会う――。
って、まずタイトルがミステリアスで粋ですよねえ。
で、逃げる男の前に現れた「妻の代理」を名乗る女。
「お前は一体、何者なんだ?」と
お互いを慎重に探り合い、
追いつ追われつ、いつしか共鳴し合う二人。
だが、その先にあるものは――。
すべてを知るは闇夜の静かな湖面――――デデデン♪的な
実にムード満点の映画。
中国・フランス合作で
滴る雨、月夜の湖面、極彩色のネオンなど
鮮やかなのにどこか沈鬱で、色香漂う映像が、
いつまでも後を引く。
主演のフー・ゴーは西島秀俊氏と阿部寛氏を足して
色気をさらにふりかけたような色男だしね。
こういう映画を観たあとには
夜の繁華街をフラリ、ゆらり、漂いたくもなる。
そんな映画体験が、ごく当たり前にできる日常が
手探りでも、少しづつ戻りつつあることに、
かすかーな喜びを感じるのでした。
★9/25(金)から公開中。
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