今朝の日経トップは「(ソフトバンク)ボーダフォン買収1兆7500億円で合意」という記事だった。この1兆7500億円が妥当な金額かどうかは別として、日本企業による買収では過去最大の金額だそうである。ソフトバンクは携帯電話と動画配信などネットサービスとの融合を図り、総合通信サービス事業の分野でガリバー、NTTの追撃を図るという。
このところ大型M&A流行りである。先月は、日本板硝子が英ピルキントン社を約30億ポンド(6,160億円。同社の借入金の借り換えも含む)で完全子会社化、東芝が米ウエスチングハウス社を54億ドル(6,200億円)で買収、のニュースがあった。両者はともに世界市場を見据えての買収である。日本板硝子は世界展開の遅れを一気に挽回し世界トップの旭硝子に肩を並べるのが目的であり、一方の東芝は現在世界で主流となっているPWR(加圧水型原子炉)の技術を手に入れ、中国をはじめ世界の原子力発電の分野で攻勢に出ようとの目的である。
今回のソフトバンクによる買収はこの2社とは異なり、国内市場での事業分野拡大を狙ったものだ。時間をお金で買った、つまり総合通信サービス会社を目指すに当たり、ゼロから携帯電話事業を育てるのではなく買収により出来上がった事業を即手に入れたのである。
一方、今回の買収を逆から見ると、ボーダフォンの日本からの撤退である。ボーダフォンは、足下ヨーロッパで苦戦しているが、わが国でも加入者数が低迷し、番号ポータビリティーの導入を控え大変厳しい状況にあった。更にわが国の場合、その特殊性というか、同社が世界戦略として打ち出した3Gの世界標準を日本のユーザーが受け入れなかったという問題もある。江戸時代の鎖国の世の中ではないが、こと携帯電話に限っては日本で独自の進化(?)が起こっているのである。日本仕様の製品を開発するには大きなコスト負担が必要だ。ボーダフォンは日本市場にそれだけの価値を認めなかったのであろう。
本当に日本市場は特殊なのだろうか。日本の消費者に受け入れられず撤退した海外企業といえば、最近ではカルフールがある。彼らは何事においてもフランス流を通そうとしたことに問題があった。日本の流通を無視しメーカーとの直接取引しか認めず、その結果品揃えに魅力を欠いた。また、フランス流のやり方に付いて行けず辞めた従業員も多いという。まだ撤退はしていないが、ウォルマートの西友も苦戦している。
世界標準を貫くべきか、それとも国の事情に合わせて変更すべきか。例えばドーナツ。ダンキンドーナツはアメリカの味そのままでとても甘かった。これに対しミスタードーナツは日本人向けの味を工夫した。結果はどうだろう。ミスタードーナツは続いているが、ダンキンは数年前に撤退した。
では、マクドナルドやコカコーラはどうか。ともに世界どこでも同じ味が売りだが、本当にそうなのだろうか。実は私はマックはもう10年以上食べてないし、コーラはそれ以上に飲んでいない。どなたか日本と海外で味を比べたことのある方、同じ味かどうか教えて下さらないだろうか。
このところ大型M&A流行りである。先月は、日本板硝子が英ピルキントン社を約30億ポンド(6,160億円。同社の借入金の借り換えも含む)で完全子会社化、東芝が米ウエスチングハウス社を54億ドル(6,200億円)で買収、のニュースがあった。両者はともに世界市場を見据えての買収である。日本板硝子は世界展開の遅れを一気に挽回し世界トップの旭硝子に肩を並べるのが目的であり、一方の東芝は現在世界で主流となっているPWR(加圧水型原子炉)の技術を手に入れ、中国をはじめ世界の原子力発電の分野で攻勢に出ようとの目的である。
今回のソフトバンクによる買収はこの2社とは異なり、国内市場での事業分野拡大を狙ったものだ。時間をお金で買った、つまり総合通信サービス会社を目指すに当たり、ゼロから携帯電話事業を育てるのではなく買収により出来上がった事業を即手に入れたのである。
一方、今回の買収を逆から見ると、ボーダフォンの日本からの撤退である。ボーダフォンは、足下ヨーロッパで苦戦しているが、わが国でも加入者数が低迷し、番号ポータビリティーの導入を控え大変厳しい状況にあった。更にわが国の場合、その特殊性というか、同社が世界戦略として打ち出した3Gの世界標準を日本のユーザーが受け入れなかったという問題もある。江戸時代の鎖国の世の中ではないが、こと携帯電話に限っては日本で独自の進化(?)が起こっているのである。日本仕様の製品を開発するには大きなコスト負担が必要だ。ボーダフォンは日本市場にそれだけの価値を認めなかったのであろう。
本当に日本市場は特殊なのだろうか。日本の消費者に受け入れられず撤退した海外企業といえば、最近ではカルフールがある。彼らは何事においてもフランス流を通そうとしたことに問題があった。日本の流通を無視しメーカーとの直接取引しか認めず、その結果品揃えに魅力を欠いた。また、フランス流のやり方に付いて行けず辞めた従業員も多いという。まだ撤退はしていないが、ウォルマートの西友も苦戦している。
世界標準を貫くべきか、それとも国の事情に合わせて変更すべきか。例えばドーナツ。ダンキンドーナツはアメリカの味そのままでとても甘かった。これに対しミスタードーナツは日本人向けの味を工夫した。結果はどうだろう。ミスタードーナツは続いているが、ダンキンは数年前に撤退した。
では、マクドナルドやコカコーラはどうか。ともに世界どこでも同じ味が売りだが、本当にそうなのだろうか。実は私はマックはもう10年以上食べてないし、コーラはそれ以上に飲んでいない。どなたか日本と海外で味を比べたことのある方、同じ味かどうか教えて下さらないだろうか。