縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

今年はなに年?

2006-03-12 22:39:00 | 最近思うこと
 今年は戌年、丙戌(ひのえいぬ)、といった話ではない。イベントの話である。

 先日、あるシンポジウムに行き、まだ「日本におけるドイツ年」であることを知った。外務省主催のイベントのせいか、2005年度、2005年4月から2006年3月までがドイツ年だったのである。因みに、外務省では今年は「日豪交流年」だそうである。なぜか、こちらは2006年1月から2006年12月までである。

 一方、音楽の世界ではモーツァルト一色である。モーツァルトは1756年1月27日生まれ、今年は生誕250周年にあたる。読売日響では10種類(回数では14回)のモーツァルト公演プログラムを用意している。もっとも、これは日本だけでなく、欧米でも関連のイベントが目白押しのようだ。今年はシューマンの没後150年、ハイドンの没後200年にあたるらしいが、モーツァルトの前では霞んでいる。まあ無理な話だが、生まれ年や死ぬ年は選んだ方が良いということか。

 このモーツァルトの人気は、モーツァルトの音楽がこの上なく美しい、それこそ天上の音楽と言うにふさわし調べだからである。次から次へと湧き上がる美しく、やさしいメロディ。ベートーベンのような重々しさや翳りといったものは微塵もない。また、35歳で夭逝したことや、最後に書いていた曲が「レクイエム」というミステリーのような偶然も、その神性に、つまり彼こそは神に選ばれた人間なのだと、モーツァルト人気に拍車をかけているのかもしれない。(ただ当時の衛生状態や、8人兄弟の内モーツァルト以外にも5人の兄姉が早世していることを考えると、彼が若くして死んだことはさほど不自然な話ではない。)

 モーツァルトはドイツの隣、オーストリアの出身。ミュンヘンやベルリンとのゆかりも深い。更に、今年はご存知ドイツ・ワールドカップの年。わざわざ「日本におけるドイツ年」を催し、ドイツをPRする必要などなかったように思える。そして今回の「日豪交流年」。日本はオーストラリアにとって最も重要な貿易国だ。ゴールドコーストなど同国への日本人旅行者は多いが、最近では北海道のスキー場がオーストラリア人に人気の観光スポットになっている。極めて関係が深く、かつ良好な国だ。こちらも、何をいまさら、という気がする。
 外務省のHPを見ると夫々に開催の理由はあるようだが、外務省は、まずは、もっと近くの国と国民レベルの交流を、理解を深める努力を行うことが必要ではないだろうか。