縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

パレスチナ問題は土地問題

2006-03-23 23:42:00 | 海外で今
 まずはちょっと乱暴なたとえ話。
「ほかの町からやって来て公園に住み着いたホームレス。彼らに公園を住所とした住民票登録を認めたお役所。彼らを追い出そうとする周りの住民。」パレスチナ問題の発端を単純化すればこうなる。つまり、ホームレス=イスラエル人、お役所=国連、周りの住民=パレスチナ人、である。

 もっとも問題はそんなに単純ではない。宗教が絡んでいる。イスラエルのユダヤ人にとってこの土地は神から与えられた“約束の地”。実際にご先祖様が住んでいたのが2000年前であろうと関係ない、それは神が与えてくれたのだから。ユダヤ教の教えなのである。
 一方、そこに住んでいたパレスチナの人々にとって、こんな無茶苦茶な理屈は通らない。別に彼らがイスラム教徒だからというのではない。そりゃ僕だって嫌だ、自分の家に知らない人がやって来て、ここは俺が神から与えられた土地だから俺のものだ、おまえは出て行け、などど言われたら。
 そこで国連がユダヤとアラブの線引きをしたのだった。

 その後のイスラエルとパレスチナの抗争はご存知の通りである。何度もの争いを繰り返した後、漸く2003年の中東和平へと漕ぎ着けた。このときの指導者がイスラエルはシャロン首相、パレスチナはPLOのアラファト議長。しかし、この二人はもう表舞台にいない。アラファト議長はおととし亡くなり、シャロン首相は1月に脳卒中で倒れた。
 こうした中、パレスチナではテロ組織とされるハマスが政権を取り、イスラエルでは28日に中東和平を左右する総選挙が行われようとしている。

 ハマスの躍進はアラファト率いる与党ファタハの腐敗によるところが大きい。海外からの支援金の多くがファタハ幹部に流れていたようだ。貧しい人のために慈善事業を行うハマス、自分たちの土地を取り戻すためにイスラエルと戦うハマス。他人からテロと言われようと彼らにとってはジハードである。これがハマスがファタハを破った大きな理由である。

 このパレスチナの問題、僕にはどちらが正しいのかわからない。ただ互いに殺し合うことだけはもう止めて欲しい。シャロン首相は元々は超タカ派、パレスチナに対する強硬派だった。その彼が中東和平を推し進めようとした。超タカ派である彼だからこそ、弱腰と非難されることなく、和平の道を選べたとも言える。同じことをハマスにも期待したい。