縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

コッポラって誰?

2006-03-17 23:50:00 | 芸術をひとかけら
 今日帰ってきてテレビを付けたら『ゴッドファーザーPartⅡ』をやっていた。70年代前半に一世を風靡した、マフィアの世界やそこでの家族の絆を描いた名作『ゴッドファーザー』の続編である。もう半分近く過ぎていたが、懐かしく思い、つい見てしまった。
 アル・パチーノが主人公マイケル役、その父ヴィトー(ゴッドファーザー)の死後、彼がコルレオーネ・ファミリーを継いだ。これは前作の話。PartⅡではその後の家族の愛憎などマイケルの苦悩と、ヴィトーの若い頃の姿が並行して描かれている。若き日のゴッドファーザー役はロバート・デ・ニーロ。前作でゴッドファーザーを演じたマーロン・ブランドをまね、口籠もった話し方をするなど、やっぱり彼の演技は上手いなと思った。

 ところが、見て行くうちにちょっと違和感が。出て来る人物や俳優は記憶にあるし、出て来るシーンもどこかで見たことのある気がする。だけど何かが違う。懐かしいような懐かしくないような。
 で、ちょっと不思議に思い記録を調べてみたところ(以前は見た映画について日にち、場所、採点などを記録していた)、なんと『ゴッドファーザーPartⅡ』は見たことがなかった。PartⅠとPartⅢは確かに見ている。PartⅠに至っては同じ映画館で1週間に2回も見ていた。けれどもPartⅡだけ抜けていたのである。

 そうか、じゃあPartⅡは大事に取って置いて今度機会があれば映画館で見ようかな、やっぱりゴッドファーザーは大きな画面で見たいし、途中からだし、とか思いつつ、結局最後まで見てしまった。懐かしさもあるが、それだけ話に引き込ませる力のある映画だった。PartⅠはマフィアの世界、ファミリーの争い(日本でいえば暴力団の組同士の争い)がメインであるが、PartⅡはマイケル個人のファミリー、兄や妻など家族との争いが中心に描かれていた。因みに、PartⅠ、PartⅡともアカデミー作品賞を受賞している。

 監督のフランシス・フォード・コッポラは、4年の月日と3千万ドルもの資金を掛けた超大作『地獄の黙示録』の興業的な失敗を機に経済的に厳しい状態に陥り、その後破産するなど、最近は監督としての活躍はあまり見られない。今はワインの造り手として、あるいは女性映画監督ソフィア・コッポラの父としての方が有名かもしれない。しかし、驚くのはPartⅠやPartⅡを作ったとき、彼はまだ30代半ばだったことである。その若さで、これだけ複雑な構成や重厚な場面を描くとは、本当に恐れ入ってしまう。

 などと、古い映画の話をとうとうと語ると、自分が年を取った気がして嫌だ。ここで「いやぁー、昔の映画は良かったな。それに引き換え最近の映画は・・・・」などと言おうものなら、もう決定的におやじである。
 さて、気を取り直し、この週末は久々に最新の映画でも見に行こうかと思う。