山菜採りの締めは、”フキ”
数年前までは、釜場の近くに住むおじさんの敷地のものを採らせてもらっていたが、崖崩れで通れなくなった年を境に行かなくなってしまった。
かと言って、わざわざ買ってまで食べるのはバカらしく思え、・・・いつも産直店でにらめっこしている。
この時期1度は味わいたくて、何回かは私が負ける。
そうしてお膳に並ぶのは、”フキご飯” それから少しだけ牛肉を入れて甘辛くたいた”煮物” が我が家の定番。
ところが今年はそれにもう1品、私のレパートリーが増えた。
かねてより作ってみたかった”フキの佃煮”
4月の末にうまい具合にレシピを手に入れることができた。あとはいいフキがあれば、いつでも挑戦する気満々でチャンスを待っていた。
「心で強く思っていたら、機会や捜し物はあらわれる」 と誰かが言っていたが、確かに言えていると思う。チャンス到来。
250g強が100円。しかも太くてたくましそう。おまけに新鮮!
初めての挑戦なので、とりあえず4束買う。
持ち帰ってさっそく、フキを水洗い、5㎝長さに切って水にさらす。数回水を換えて半日おく。
翌朝、鍋に」しょうゆ320mlとフキを入れて火に掛ける。
柔らかくなったら、砂糖200g、みりん40mlを加え、更に煮る。
ここでいったん中断し、釜場の仕事にでかける。
夕方、帰宅してから再度火にかけなおす。同時に炭火をいこし、七輪の用意をする。鍋が温まったところで七輪へ移動。ガス台では夕飯の準備。
今回は備長炭ではなく、雑木の炭を使用。トロトロと煮る火加減にはちょうど良かった。
傷がつかないように、混ぜるときは鍋を動かす。とろ火なので、ほとんど忘れかけた頃に中身を上下返すように鍋を動かす。
汁気がなくなるまで煮つめる。4~5時間くらい経った頃、ちょうど炭火もなくなり、最後の仕上げとして、ガスの火で鍋を動かして、汁気をとばす。
鍋に6~7分目ほど入っていたフキが、かさがグーンと減って鍋底に1~2分目しかない。男性の親指太さはあったものが、鉛筆よりも細くなっているのだから仕方ないのかも。
これだけ時間をかけて作るものとは知らず、今までタダでくださった人達に感謝、感謝。
さて私はと言うと・・・
作り始めたときは、日頃のお礼に!と、いろんな人の顔を思い浮かべていたけれど、出来上がり間近にはすべて消え去った。とてもじゃぁないけど、人に分けてたら何にも残らない。おまけに娘が再三、味見にやってきて、舌鼓をうっている。あっという間に売り切れそうだ。
来年は自分でフキを収穫してきて、1kgと言わず、大鍋いっぱい作ってみようかな。