その中の1枚、ムッチャ、ラッキーな気分になれるナンバーを選んできた
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ちょい前の投稿『ふろがーる!』と炭 - enjoy
備長炭は備長炭でも炭が水に浮いたことを書いた。その点について少し詳しく説明しようと思う。
大小あるが、左が馬目樫が原木の銘柄は”馬目”。 右の長い方は樫が原木の銘柄は"備長”。
写りが悪いが、切り口の断面。ビミョーに違うのである。
馬目は沈んでいる。 浮いているのが備長。
気泡の違いは、馬目のほうは寸前まで水に浸かっていたからで、備長は乾いた状態から水に入れたので中の孔から勢いよく気体が出てきているのだ。
水に浮くか沈むか
それ以外にもビミョウーな違いを何点かあげてみる。
・ 火付きの良しあし、というか、付きやすいか? 付きにくいか
備長の方が、火は起こしやすいそうだ。(その比較を実験したことはないので)
・ 火力、火持ちにも差がある。
いずれも馬目のほうが強くて長い。
・ 炭同士を合わせて軽くたたいた時の音・・・あまりたたいてもらっては困るけれど
馬目のほうが、高い金属音を発し、それゆえ炭琴には馬目が用いられている。
火力・火持ちの違いから、価格にも差がついているのだ。
しかし、これは火をつけたり水に浮かべたらわかるけれど、釜で一緒に焼いて出来た炭を選別するのは結構至難の業なのである
大概は一目見たら、ちゃんと選別できるくらいまでにはなったけれど、しっかり焼けた”備長”は”馬目”と大差ない上質の炭なのだ。
前回、釜場の寒さを訴えたつもりだが、実は近所の、炭焼きさんを見てきた人たちでもなかなか知ってもらえていないことなのだ。
以前、よくいろんな人から言われた言葉。
「釜場は火が有るから暖かいやろう」と。
「はぁっ行ってみる 吹きっさらしで、どんだけ寒いか」とついつい荒い口調で答えていた。
釜出し中の状態。
私自身はほとんど経験無いのだが、夏は半端ない熱さ
しかし、冬になると外気が冷たすぎて、それほど暖かさを実感できるものではないようだ。
口炊き中の火。(右に1回回転させて見てください)
これが有るから暖かいだろうと思われているみたいだが、冬場の冷え切った体を温めるには張り付くくらいじゃぁないと熱を感じない。
かじかんだ指先は釜に触れて温める。
背中を温めていて熱で溶かしたナイロン系のジャンパー。作業服なので気にせず、ボロボロになるまで着倒したものが何枚もある。
夏は、口炊きをしていると5m以上離れた場所でも熱風として感じるから、これまた堪ったもんではないのだが
口炊き中の釜が有る無しに関わらず、冬場はドラム缶にたき火を燃してはいる。
それも缶の中に手を突っ込んであぶるくらいにしないと温まらない
かと言って、そんなことばかりしていては作業が捗らないから、我慢我慢
箱1つ詰め終わって秤にかけたとき、ご褒美にドラム缶に向かうようにしている。
炭焼きという仕事は”3K”の代表格も良いところだ
でもなぁ、「炭火は暖かい」とか「炭で焼いたお肉は美味しい」と言ってくれるお客さんがいるから、頑張るっきゃぁないか…
冬になると、釜場へ行く為に寒さ対策をするので、準備する時間が必要以上にかかる
まず、作業服売り場で買った5本指のハイソックス。
これを履くことで幾分足の疲れは違うから、夏場は暑いから足首までの短い方を。
冬場は気持ち防寒のために…なのだが、疲れにくいイコール締め付けがキツくて 履くだけで1~2分、体力も使う。
それからつま先なしのスパッツ、Gパン。
上は、古くなったスキーのアンダーシャツにTシャツやトレーナーを重ねられるだけ重ねて、最後にウィンドブレーカーを着て準備完了
先日のこと…
やっとこ準備していざ、出勤
「サブッ」と言いながら玄関を出て、日当たり良好な所に駐車している車に乗り込んだら「あったか~い」
ここでお昼寝でも出来たらなぁ…なんて思いながら、発進
釜場まで、15分足らず。山の中腹にある。
2kmくらい走ったら、釜場に登っていく麓にさしかかる。そこで車が音を発した。「」
『外気低温注意』
その横を見ると、『3℃』 マジ さっきまでは何度だったんだろう
そこから上り坂 1kmほど進むと、予想通り『2℃』と表示
さらに進むと『1℃』
「行きたくな~い」と叫んでしまう。
途中、ちょっと日向になると『2℃』。日景になると、また『1℃』を繰り返し、釜場は日当たり良好で、とりあえず『2℃』
覚悟を決めて、車から出て、古くなったスキー帽をかぶって仕事に取りかかった。
一刻も早く帰られるように とにかく頑張るしかないのだ
夕方、日が陰りだしたら、もう一枚上からごつめのジャンパーを羽織って、炭を全て箱に収まるまで作業を続ける。
とっぷり日が暮れて、ようやく仕事を終えて車に乗り込んでエンジンをかけたら…『外気低温注意』が表示されていて、『3℃』
まだ、マシか… マイナス1℃が出たときは、指先のかじかみかたは半端なかったもんなぁ
釜場での箱詰め、今年はあと1回
年が明けたら、益々寒さが厳しくなるだろう
どうか 暖かい日にあたりますように…と願いたい。