エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ハクウンボク

2013年05月02日 | ポエム
総状花序に白い花が咲いている。
ハクウンボクの花である。

花言葉は「朗らかな人」である。



樹一杯に、ところ狭しと咲き競う。
その緑の葉とともに、見事なコントラストを見せる。
魅せる・・・。







「かくありてハクウンボクの明るさの」






この白さと蕊の黄色がまた見事である。
ハクウンボク・・・白雲木と漢字表記する。

学名は「Styrax obassia」
Styraxはギリシャ語で「storax(安息香)」が語源である。

この花、やはりハクウンボクとカタカナ表記するのが良い。
漢字だと、どうしても「雲白肉(ウンペイロウ)」という中華の豚肉料理が涎ととも想起されてしまうのである。

この料理は単純にして深みのある味わいである。
蒸した三枚肉に、ピリ辛の醤油タレを回しかける。
湯気が忽ち味わいと一体化する。
口に放り込む。
はふはふ食べる。

ポイントはシャキシャキ感のあるキューリの薄切りを、ウンペイロウとともに口に放り込むことで生まれるアンサンブルである。



口中にジワッと豚肉の脂が広がり、その油をピリ辛のタレが包みこんでくれる。
かつまた、キューリが繊細な清涼感を口中に生ましむのである。

食べても食べても飽きないのである。



昨日は、不思議な空が広がった。
風は強いけれど、日差しは完全に春の終わりである。

ハクウンボク、ウンペイロウ。
どちらも味わいある素材である。



        荒 野人