みやこわすれ、なんという悲しく、そして美しい響きを持つ言葉だろう。
人によって受けとめ方は、郷愁であったり、はかない慕情であったり・・・人夫々だろう。

ぼくは成就しない愛を思って、少しばかりしんみりとしている。
ここのところ、思いがけず「はしり梅雨」に降り籠められたりしたせいだろうか。

晩春であって、初夏である。
季節の鬩ぎ合いが続く。
けれども、春の肌寒さはもうないだろう。
夏が寄り切りで決着をつけんとしているのである。
新緑は、緑陰となってやがて万緑となる。
季節は変われども、ぼくの心の傷は消えない。

「みやこわすれ咲けば必ず菓子一つ」

みやこわすれ。
花言葉は「しばしの憩い」「別れ」「短い恋」「また合う日まで」である。
鎌倉時代に承久の乱で北条氏に敗れ、佐渡へと流罪になった順徳天皇が、ある日、庭の片隅に咲いている小さな白い可憐な花を見つけ「この花を見ていると、少しの間でも都を忘れることができる」と言ったことからこの名で呼ばれるようになったといわれている。
江戸時代から茶花などとして栽培されてきたのである。
ぼくはこの花を見ていると、いつでもきみを脳裏に浮かべる事が出来る
そう淡い初恋のように。
初恋 鮫島有美子
今日は、石川啄木の歌にメロディーを付けた日本歌曲をお聞きいただきたい。
ぼくの時々口ずさむ歌である。
砂山の砂に腹這ひ
初恋の
いたみを遠くおもひ出づる日
歌集「一握の砂」にある。

初恋とは、なんどでも繰り返し感傷に浸るのだろうか。
ぼくは、過ぎた恋を忘れる事は無い。
しかし、ペーソスに浸ることはない。

今、恋の季節である。
荒 野人
人によって受けとめ方は、郷愁であったり、はかない慕情であったり・・・人夫々だろう。

ぼくは成就しない愛を思って、少しばかりしんみりとしている。
ここのところ、思いがけず「はしり梅雨」に降り籠められたりしたせいだろうか。

晩春であって、初夏である。
季節の鬩ぎ合いが続く。
けれども、春の肌寒さはもうないだろう。
夏が寄り切りで決着をつけんとしているのである。
新緑は、緑陰となってやがて万緑となる。
季節は変われども、ぼくの心の傷は消えない。

「みやこわすれ咲けば必ず菓子一つ」

みやこわすれ。
花言葉は「しばしの憩い」「別れ」「短い恋」「また合う日まで」である。
鎌倉時代に承久の乱で北条氏に敗れ、佐渡へと流罪になった順徳天皇が、ある日、庭の片隅に咲いている小さな白い可憐な花を見つけ「この花を見ていると、少しの間でも都を忘れることができる」と言ったことからこの名で呼ばれるようになったといわれている。
江戸時代から茶花などとして栽培されてきたのである。
ぼくはこの花を見ていると、いつでもきみを脳裏に浮かべる事が出来る
そう淡い初恋のように。
初恋 鮫島有美子
今日は、石川啄木の歌にメロディーを付けた日本歌曲をお聞きいただきたい。
ぼくの時々口ずさむ歌である。
砂山の砂に腹這ひ
初恋の
いたみを遠くおもひ出づる日
歌集「一握の砂」にある。

初恋とは、なんどでも繰り返し感傷に浸るのだろうか。
ぼくは、過ぎた恋を忘れる事は無い。
しかし、ペーソスに浸ることはない。

今、恋の季節である。
荒 野人