エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

雪の匂い

2013年12月19日 | ポエム
朝、玄関を開けた途端に鼻孔に流れ込んできた匂いがある。
雪の匂いだ。

湿ったような、それでいて乾燥した埃の芳しい匂いが融合したような匂いである。
友人に会って、今朝、雪の匂いがした!
と言ったら、笑われた。



夜半から、ミゾレになりやがて雪へと変わっていく天気予報。
匂いは、確かに雪だった。

だがしかし、雪は降らなかった。
関東平野では降らず、その周囲の高地では雪があった。

雨は、朝まで降り続いた。
雪の匂いは、消えている。





「雨音や雪の匂いのするひと夜」



今朝は、霧のように大気が濡れている。
その気配が、柔らかく暖かい。

暖かいけれど、角が立っている。



      荒 野人