エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

落葉一葉「錦木」

2014年11月09日 | ポエム
パートカラーのように、一部分が先行して赤く紅葉する。
それが必然なのか、はたまた恣意的なのか判然としない。

昔々、ぼくが大学生だった頃・・・。
オールナイトの映画を見たものだった。

映画のほとんどは、侠客もの。
つまるところ「ヤクザ映画」である。
繊細な印象の鶴田浩二。
いまやレジエンドと化した高倉健。
脇役で大きな目がものを云う待田京介。

名優たちの群像でもある。

その侠客映画と次の映画の間に、日活ロマン・ポルノが上映されたものだった。
そのロマン・ポルノで、ベッドシーンになると決まってカラーになる。
パートカラーである。

錦木の紅葉は、それを連想させるのである。





「錦木の一葉赤く隠れんぼ」




きっと、いまごろでもそうした色づきだと思う。
少しだけ、目を見開いて探してほしいものである。

団塊の世代の「おのこども」はきっと、パートカラーで膝を打つ事間違いないのである。



       荒 野人