エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

凍蝶

2014年11月15日 | ポエム
冬の蝶である。
凍蝶は、決して群れない。
ただ一羽でゆっくりとしたリズムで、飛ぶ。

凍蝶は、晩秋のシンコペーションなのだと今日改めて知った。
出会い、破調のリズムである。



不思議な、異次元の入口ででもあるかのようである。
けれども、色彩が争っていない。
妙なる調和を醸し出すのである。



豊かな枝と、木枯らし吹きすさぶ枝とが共存する。
いや・・・共生するのが晩秋であるのかもしれない。



かてて加えて、太陽の光とも共生する。
いや・・・共鳴するのである。







「凍蝶の背の高さほど翔びにけり」







晩秋は森羅万象の共生する「曼荼羅」である。
それは・・・。



落葉ですら、その曼荼羅の世界に共生するのである。
枝を離れるのは、決して生を失う事では無い。
新たな生命を得る、ことである。

輪廻転生に身を托せよ!




         荒 野人