エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

紅葉晴

2014年11月16日 | ポエム
ここのところ、紅葉晴の天気が続いている。
秋が濃密になってきているのだ。



更に言い換えれば「冬隣」であるのだ。
大気が澄み、肌に鋭く触れる。

だがしかし、気持ちのよい鋭さである。
痛くはないのだ。



晩秋・・・とりわけ気候のミルフィーユは今しか無い。
恋人たちよ、いまこそ愛を語れ。
甘やかな愛を語り合い、而して結ばれよ。

季節の祝福は、限りなく美しい。







「おもてうら分け隔てなき紅葉晴」







ぼくが、恋人と云われた時代。
秋は、哀しくも美しかった。

心豊かな記憶と、脳内のどこかが記憶する情念と・・・そして刻を磨く時間が流れたものだった。



紅葉晴は、一個にして完結する季語としての力を持っているのである。




       荒 野人