エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ゆりの木の花

2015年05月05日 | ポエム
そう、チューリップのような花が咲く。
別名「チューリップ・ツリー」で、その葉の形から「半纏木」とも云う。



夏には木陰を作ってくれるし秋には見事な黄葉を見せてくれる。
とりわけ、晩秋から冬さらに初春にかけて裸木の見事な枝振りは見応えがあるのである。



その木が花開かせるのだ。
豪勢でなければ、可愛いに決まっている。



而して、ユリの木の花は可愛らしいのである。
花のサイズといい、模様といい特徴的であって可愛らしい。



君の、少しはにかんだ姿のようではないか。
この花は、木の上の方に咲く。



人によっては、咲いているのに気づかない。
気づかずに、通り過ぎてゆく。







「葉に隠すユリの木の花去り難し」







街の街路樹に多く植栽されているから、探せばきっと見つかる筈である。
この可愛らしい花を、どうか見つけてあげて欲しい。

因に、季語としては「初夏」である。
この日、夏日となった・・・。
春の終わりであるけれど、初夏の花として詠んだ句である。



そして一言「可愛いね!」と囁いてあげて欲しい。
ユリの木の花が、きっと喜ぶに違いない。



       荒 野人