エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

緑さす

2015年05月29日 | ポエム
際立った緑と出会える季節である。
新緑である。

重ねても重ねても、緑は緑であるのだ。
間もなく万緑の季節に入ってしまう。
6月には、間違いなく万緑である。



林の中を歩きながら、ぼくは緑で染め抜かれたのである。
大気も、その流れも緑である。

見上げると、ブナの新緑があった。
実に際立った緑である。



この道を歩いた。
誰と歩いたかった・・・?



フっ、そんな野暮は云いっこなしだよ。







「緑さす身体染めぬく空はるか」







緑と云う字は、様々に表記できる。

「緑」「翠」「碧」そして「みどり」である。
名前も、多様性を持っている。
それだけ柔軟なオマージュを醸し出すのである。

みどりは、一個の宇宙であるのだろう。



      荒 野人