碧滴る六義園。
知る人ぞ知る、柳沢吉保の下屋敷であった。
梅雨入りを前にして、暑い日が続く。
和傘の下で涼みたいほどである。
片陰は、樹影を指す夏の季語だけれど・・・。
赤い傘も、夏の季語で良いではないかなどと一瞬思った。
けれども、赤い和傘に会う景色は秋にもあった。
野点に良く合う・・・。
してみると、夏の季語と決めつけない方が良い。
和風の風情を詠む時に、上手く使う事としよう。
さて、六義園である。
大名の回遊式庭園としては、良く面影が残されている。
例えば、浜松町駅に近い「芝離宮」なども池を中心とした大名庭園である。
池には例外無く、浮島が設えられる。
従って、渡端がある。
加えて、苔むした踏石も存在するし、橋の上も苔むしている。
それが良い味を出しているのである。
水の上を渡る夏の風は、優しく涼しい。
キラキラしている。
「夏木立池の輝き風和む」
この景色は贅沢である。
夏は水遊び。
大人は、船遊びに尽きると云う訳である。
ぼくは、いつものようにこの茶室でお抹茶を頂いた。
ほろ苦く、舌を転がるお抹茶。
それを中和する和菓子を、口に放り込む。
身体に染み渡るのである。
とりわけ、近ごろは「お甘」を遠慮しているせいだろう。
頂く時には「満喫」するのである。
「嗚呼、旨い」と声に出して、五感で味わうのである。
聴覚に、言い聞かせるのである。
荒 野人
知る人ぞ知る、柳沢吉保の下屋敷であった。
梅雨入りを前にして、暑い日が続く。
和傘の下で涼みたいほどである。
片陰は、樹影を指す夏の季語だけれど・・・。
赤い傘も、夏の季語で良いではないかなどと一瞬思った。
けれども、赤い和傘に会う景色は秋にもあった。
野点に良く合う・・・。
してみると、夏の季語と決めつけない方が良い。
和風の風情を詠む時に、上手く使う事としよう。
さて、六義園である。
大名の回遊式庭園としては、良く面影が残されている。
例えば、浜松町駅に近い「芝離宮」なども池を中心とした大名庭園である。
池には例外無く、浮島が設えられる。
従って、渡端がある。
加えて、苔むした踏石も存在するし、橋の上も苔むしている。
それが良い味を出しているのである。
水の上を渡る夏の風は、優しく涼しい。
キラキラしている。
「夏木立池の輝き風和む」
この景色は贅沢である。
夏は水遊び。
大人は、船遊びに尽きると云う訳である。
ぼくは、いつものようにこの茶室でお抹茶を頂いた。
ほろ苦く、舌を転がるお抹茶。
それを中和する和菓子を、口に放り込む。
身体に染み渡るのである。
とりわけ、近ごろは「お甘」を遠慮しているせいだろう。
頂く時には「満喫」するのである。
「嗚呼、旨い」と声に出して、五感で味わうのである。
聴覚に、言い聞かせるのである。
荒 野人