エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

2015年06月15日 | ポエム
琴の事である。
古来の呼び名である。
箏曲・・・琴の曲である。

さて理屈は、どうでも良い。
花菖蒲に良く合うのが、箏曲であってその調べである。



菖蒲田を渡る箏の音色は優しい、のだ。
それを爪弾く女人の嫋やかさと、幼さが良い。







「菖蒲園琴爪すべる糸の張り」







古曲を弾くのだけれど、浴衣姿の子が入った時は「童謡」を爪弾く。
それが、また優しいのだ。



花菖蒲は、ただ黙って聞いている。
そうした風情も良い。

箏曲が終った後の、奏者の笑顔も又良い。



楽しかったに相違ない。
その若やいだ気配が菖蒲田を渡る一幅の風になる。



     荒 野人