雨上がりは、空も花もより美しい。
たおやかな女人が、飛天のように舞い上がる空である。
その天女の舞う空の下、ギボシが咲いている。
ギボシの花は下向きである。
その慎ましやかさが、個性である。
八ヶ岳の麓で、良く目にしたものだった。
今は、そこに住んでいた義母も亡くなり訪うことも少なくなった。
寂しいけれど、人の世の無常とはそうしたものである。
「高原の風に一株ギボシ揺れ」
ギボシに寄せて、ぼくはいつだって夢を見る。
さりげなく、あくまでもさりげなく密やかに咲いていたい。
その場合、空は澄みきっていて欲しい。
そう・・・雨上がりの午後のように。
荒 野人
たおやかな女人が、飛天のように舞い上がる空である。
その天女の舞う空の下、ギボシが咲いている。
ギボシの花は下向きである。
その慎ましやかさが、個性である。
八ヶ岳の麓で、良く目にしたものだった。
今は、そこに住んでいた義母も亡くなり訪うことも少なくなった。
寂しいけれど、人の世の無常とはそうしたものである。
「高原の風に一株ギボシ揺れ」
ギボシに寄せて、ぼくはいつだって夢を見る。
さりげなく、あくまでもさりげなく密やかに咲いていたい。
その場合、空は澄みきっていて欲しい。
そう・・・雨上がりの午後のように。
荒 野人