エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

芭蕉の花

2014年10月21日 | ポエム
ここは、大浜海浜公園。



海ガメが産卵で上陸する浜である。
従って、大きな看板が立っている。






芭蕉布/倍賞千恵子





この公園に「芭蕉の花」が咲いていた。



バナナのような実が生っている。
けれど、このバナナは種が大きくて食べられない。

食べられないと云うより、食べても美味くない。
硬いだけである・・・と公園の作業員が教えてくれた。







「潮騒や芭蕉の花の宿で聴く」







ここの芭蕉は「糸芭蕉」である。



海が滅多矢鱈綺麗なのである。
寄せる波が崩れる時の、この紺碧色を見れば一目瞭然である。

芭蕉の花は、晩夏の季語となっているけれどここ奄美で詠む場合は初秋でも良いと思う。
ただし、禁則処理をかけたい。
「芭蕉の花」と読む。
「花芭蕉」は明確に晩夏と詠みたいものである。





        荒 野人

珊瑚の欠片を拾う

2014年10月20日 | ポエム
奄美の海で、珊瑚の欠片を拾う。
もちろん限度はあるけれど、個人が趣味の範囲で拾って楽しむ分には差し障りは無い。
これがグアムの浜だとか、ハワイの浜だと拾ってはいけないとされる。

とまれ、ここ奄美も近々そうなるであろうと想定される。
世界遺産登録申請が、指呼の間に入っているからである。

白い浜は珊瑚の粉であるからだし、珊瑚が粉砕されて細かな粒子になるには気の遠くなるほどの時間を要するからである。



それにしても、奄美の海は奇麗である。
珊瑚の欠片を使った「土産品」などの種類の豊富さに、驚く。

白い浜を散策しながら、珊瑚の欠片のお気に入りを拾う。
そんな奄美の秋思の旅は、今のうちかもしれない・・・。







「珊瑚礁荒波防ぐ秋思かな」







このように、サンゴ礁は浜の直ぐ前に広がっているのである。
従って、浜には珊瑚の欠片が敷き詰められている。

また、関東や東北の海・・・地元の人によると本土の海には無い貝殻が拾えるのだと云う。
その典型的な例が「宝貝」であろうか。
次の機会に、アップしようと思っている。

奄美の海で遊ぶ場合、必ず履物が必要なのである。
足裏が、珊瑚で傷つけられてしまうのだ。



この秋の奄美の旅は、天候に恵まれない。
晴れ間は、時々といった感じである。
海も、いつもより澄んでいない。

けれども、陽射しが降り注がなくても、海は美しく輝いてくれる。
奄美の人々と同じように、優しく穏やかに微笑んでくれるのである。




      荒 野人

住用町のマングローブ

2014年10月19日 | ポエム
今日は、WIFIのフリースポットが無く、とうとう今までブログをアップできなかった。
いまになって、アップとなった。

奄美の公的施設でもフリースポットが用意されておらず、閉口したものだった。
奄美大島のフリースポットは、ホテルの数軒のみであると知らなければならない。

さて・・・マングローブとしては、住用町が日本の北限である。
沖縄の石垣島のマングローブは、夙に有名だけれど・・・奄美のマングローブも見事である。



気水域に生える植物の総称がマングローブ。
地元の方々は、見慣れた風景であってそれほどの感激も無いと云う。
そうかな・・・と思うけれど。
ぼくたちは感動する。







「島唄の韻律を吸う紅樹林」







海の透明度に比して、人の心が洗浄されるのかもしれない。
余裕さえあれば、奄美の住人になってしまいたいとさえ思う時がある。

島の俳句を重ねて、やがて奄美の四季を網羅してみたいとさえ思うのだ。
ぼくたちが、普通に感動したり美しいと思うもの。
それが、普段の生活の中にしっかりと忍び込んでいる。

例えば、ハイビスカスの花が名前と一緒に脳裏に刻み込まれているぼくたち。
美しいオマージュが,広がっていくのだけれど・・・。
島の人々は「年中花」と云う。

年中咲いているからである。
そこには、それほどの感動は無い。
感動が無いからと云って、島人の感性が薄いのではない。



より深く、自然と共生しているのである。



       荒野人

朝の奄美

2014年10月18日 | ポエム
日の出は、6時23分。
ここ「ばしゃ山村」のビーチでは、山陰から6時50分に顔を覗かせた。



奄美を照らす「お日さま」は、海と空とを一体化して昇り続けるのだ。
ホテルの中庭は、静かに朝を貪っている。

レストランでは、6時半から朝食を供する。
レストランだけ電燈が輝いていた。



寄せる波の透徹した清らかさは、一体何なのだ。







「夜明け前ピロピロ啼ける瑠璃懸巣」






全体に曇り気味だけれど、秋の深まりを感じつつ奄美を歩こうと思うのだ。
早朝から、瑠璃懸巣(ルリカケス)がピロピロと甘い声で啼いている。

瑠璃懸巣は、夏に奄美に来る。
もう奄美を離れるのだ。
来年の夏に、再び渡ってくるのだ。



来年、またこの声を聞きたいものだ。
山は、秋に包まれ静謐な時間を迎えている。



       荒 野人

奄美初日

2014年10月17日 | ポエム
奄美は、好天でぼくを迎えてくれた。
とりわけ、到着後は一点鮮やかな晴天となった。
島は、夕刻になって晴れ上がってきた。
夕焼けが誠に奇麗である。



海の向こうの山に没するのだけれど、海を光らせて結構な雰囲気である。
海は、台風の後であるけれど澄みきっている。
コバルトブルーの海は、浜に寄せるほど澄みわたる気配である。



この海に魅せられて、7月に続いて今年二度目の訪問である。
奄美の妖怪「ケンムン」も歓迎してくれたようだ。



今回の投宿は「ばしゃ山村」というホテル。
前が浜辺である。
部屋に入って、直ぐ浜に出た。



ヤシの葉で葺いてある小さな四阿でコーラを飲みつつ、このブログを書いている。






「島にいる浜の白さと秋の風」





後、1時間もすれば陽が落ちる。
風と白い浜と、島を身体中に取込んだ。



爽やかである。
奄美の秋は台風19号のあと,一気に深まったのだ。

空にはうろこ雲が「我こそが主人公!」と云わんばかりである。



     荒 野人