直木賞作家乃南アサさんの最新作は、北海道開拓に生涯を捧げた女性の物語である。「群像」2018年12月~2020年6月号連載、667頁の大作。
約140年前(明治15年)、信仰を得て宣教師らが開いた共立女学校で学んでいた鈴木カネは、卒業と同時に父や兄に従って開拓のため北海道十勝へ渡った。
そこは、オベリベリと呼ばれ~和人が「帯広」と名付けた未開の原野であった。
厳しい自然環境と何につけ「ゼロ」からの出発を余儀なくされる生活環境の中で、「カネ」は苦難に耐えるだけでなく逞しく成長して行く。
そして、その先に見えたものは・・・。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★)