雪は風景を一夜にして変える。本格的な冬の訪れである。金沢大学角間キャンパスの創立五十周年記念館「角間の里」もすっかり雪化粧が施された。時折り、雪雲の切れ間からのぞく日差しが雪原に輝きを放つ。
10月下旬にまいた大麦と小麦の種が芽吹いて雪上に頭を出している。それがまるで、昔いた「やんちゃ坊主」のいがぐり頭のようにどこか愛嬌があって、シャッターを切った。
この日の最低気温は金沢で0.1度、能登半島の輪島でマイナス0.3度、この冬一番の冷え込みだ。夕方には、「角間の里」周辺では15㌢ほどの積雪になった。ここを訪れた人たちに、「ついに来ましたね」とあいさつすると、たいていは「 来るべきものが来ました」といった禅問答のようなあいさつが返ってくる。
夕方になっても寒気は衰えず、街路樹の枝に積もった雪はまるでイリュミネーションか満開の桜のごとくまぶしい。冬化粧の街にふとたたずみ眺める。
⇒14日(水)朝・金沢の天気 くもり