「長い正月休み」をいただいた。1月の「自在コラム」のアップが2件、05年4月にブログをスタートさせてから、月間でもっとも少ない件数となった。惰眠をむさぼっていたわけではない。言い訳はほどほどにして、「1月はネタの仕入れ期間だった」と自分なりに解釈して、ブログ生活を再開したい。
上海は視界不良
1月11日から4日間、短期間だったが、中国・陝西(せんせい)省を訪れた。冬のトキを観察する狙いがあった。新年度からトキに関する「生態環境整備および地域合意形成に関する学際研究」を始めるに当たって、どうしても一度見ておきたいと思い調査団に加えてもらった。金沢大学の「里山プロジェクト」(研究代表者・中村浩二教授)に関わっていて、トキと共生できるような里山環境を再生しようというのが、研究の狙い。どこからトキを持ってきて放すといった力技の利いた話ではない。
11日は成田から上海、そして西安と飛行機を乗り継いだ。上海浦東国際空港ではトランジットツアーを試みた。上海リニアで市内に足を延ばした。時速430㌔の車窓から見える風景は、目が慣れないこともあって、コマ送りの状態で見える。2010年の上海万博を控えているせいか、沿線の古い工場群や民家などが広範囲に取り壊されていた。帰国後、新聞のニュースで知ったのだが、万博会場までリニアを延伸する計画が進行中だが、大規模な反対運動が起きているようだ。終着駅・龍陽路まで距離にして30㌔、時間にして7分20秒ほど。それにしても上海は霧に覆われ、視界不良。しかも煤煙と混ざって薄黄色の世界だった。化石燃料を燃やしたような鼻につく匂いもある。上海の人民広場まで行こうかと思ったが、時間の都合もあり断念。再びリニアで空港に戻った。
「空の玄関口」でありフロアはピカピカみ磨かれている。「小心地滑」との注意看板があちこちに。滑るので注意してと呼びかけているのだが、清掃員を観察すると、ワックスがけをしている。これって矛盾ではないのかと思いつつも、西安行きの国内線の搭乗口に着いた。妙に混雑しているので、悪い予感がしていたのだが、案の定、霧のため離発着が遅れに遅れている。グランドのスタッフを囲んで乗客が何やらまくし立てている光景がいくつかあり、騒然としていた。西安行きの飛行機は1時間20分ほど遅れて飛び立った。
この日は強い寒気が大陸を覆っていたせいで、その日の夜到着した西安は気温マイナス1度、初雪。何しろこの日はイラクのバクダットでも雪が降ったというニュースが現地で流れていた。(※写真は霧に包まれた上海市街)
⇒4日(月)朝・金沢の天気 くもり