自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★世界農業遺産の潮流=6=

2012年09月07日 | ⇒トピック往来

 今回の中国・浙江省行きではいろいろと見聞きした。そのメモ書きからいくつかを紹介する。

 中国の3高 中国のマンションの建設ラッシュはピークを越えたと言われているが、地方ではその勢いは止まっていないと思った。中国・浙江省青田県方山郷竜現村の水田養魚を見学した(8月31日)。その山あいの村でも、マンション建設が進んでいた。さらに新築マンションの看板がやたらと目についた=写真=。中国人の女性ガイドがバスの中でこんなことを披露してくれた。「日本でも結婚の3高があるように、中国でも女性の結婚条件があります」と。それによると、1つにマンション、2つに乗用車、そして3つ目が礼金、だとか。マンションは1平方㍍当たり1万元が相場という。1元は現在12円なので円換算で12万円となる。1戸88平方㍍のマンションが人気というから1056万円だ。それに乗用車、そして礼金。礼金もランクがあって、基本的にめでたい「8」の数字。つまり、8万元、18万元、88万元となる。この3つの「高」をそろえるとなると大変だ。

 「ろ&B」わさび 紹興市でも青田県のホテルはバイキング形式で刺し身のコーナーがあり、マグロは人気だった。醤油は少々甘口だったが、問題は「チューブ入りわさび」だった。これが、むせ返るほど辛い。半端ではない辛さだ。チューブには「S&B」とのマークが入っていたので、日本でおなじみにエスビー食品だと思っていたら、これが辛すぎする。何か変だと思いながら、涙目でよくロゴを見ると「ろ&B」=写真=とも読め、明らかに「S&B」とは異なる。辛味成分(アリル芥子油-アリルイソチオシアネート)の調合が明らかにおかしいと思いつつも、ただこの刺激が慣れてくるとなんと脳天に心地よい。周囲も「これ以上食べると脳の血管がおかしくなるかもしれないと」と言いながら食べていた。

 「国連」幼稚園 水田養魚の竜現村は、100年以上も前からヨーロッパや中南米に出稼ぎに出掛ける人多い。村は山や石も多いため、耕作を広げには限界があり、若者たちの多くはスペインやブラジル、イタリアなどの国に行き、中華料理レストランを開いたり、石彫りなどの商売をしているという。彼らの子どもは故郷の竜現村に戻り、祖父母が育てている。この村の幼稚園児は10ヵ国余りから来ており、そのため「国連」幼稚園と呼ばれているそうだ。

 榧子(ひし)の実 帰りの土産を買おうと、杭州空港で免税店に入った。視察に訪れた紹興市の会稽山(かいけいざん)の「古香榧林公園」でも食べたカヤの実が袋入りで売っていた。これが500㌘入り398元もする=写真=。日本円でざっと4800円だ。アーモンドチョコレートなどより格段に高い。確かに現地では、カヤの実を炒って粉末にしたものは寄生虫の虫下しや小児の夜尿症によいとされていると聞いたが、高額だと思った。榧の寿命は1000年に及ぶ。スギやヒノキと比べて成長が遅く、30cm伸びるのに3、4年かかり、直径1㍍ほどの成木になるまでには300年とも。「不老長寿」の木なのだ。そんな木から実ったものならばこそ当地では重宝されるのだろう。

⇒7日(金)夜・金沢の天気  くもり

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