自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★イフガオ里山マイスター巣立つ

2015年04月09日 | ⇒キャンパス見聞
   金沢大学が金沢大学がフィリピン・ルソン島イフガオで実施している国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業「世界農業遺産(GIAHS)イフガオの棚田の持続的発展のための人材養成プログラムの構築支援事業」(通称:イフガオ里山マイスター養成プログラム)の第一期生の修了式が先月9日、イフガオ州大学で執り行われた。1年間の講義とフィールド実習、能登研修、卒業課題研究を学修した14人一人ひとりに修了証書が手渡された。

   イフガオ州大学(IFSU)体育館で修了セレモニーが挙行され、実施代表、中村浩二金沢大学特任教授、ハバウェル・イフガオ州知事、ゴハヨン・イフガオ州大学長らが出席。修了生14人は家族とともに出席し、自治体はじめ地域の関係者、IFSUの学生らも祝福を受けた。ハバウエル知事は祝辞で、同州でも地域活性化の人材養成はまったなしの課題になっているとイフガオ里山マイスター養成プログラムに期待を述べた。ゴハヨン大学長は式辞で、イフガオ里山マイスターの教員スタッフを個々に紹介するなどこの1年間の労をねぎらうスピーチを披露した。

   修了生を代表してビッキーさん(イフガオ州大教員)は、昨年2014年9月に受講生10名とともに能登で研修を行い、能登のマイスター受講生と地域の課題解決への方策を話し合った思い出などを謝辞として述べた。修了生たちは今後、相互のネットワークづくりに取り組むことになり、修了生14名で少額出資による共同組合を設立することを話し合っている。   

   イフガオ里山マイスター養成プログラムはフィリピンの他の地域からも注目され始めていて、今回の修了式には、ルソン島南部のケソン州ムラナイ町のオヘダ町長一行も参加。町長は、自然環境保全や持続発展に力点を置いたまちづくり、台風被害からの復興への協力依頼など、イフガオ里山マイスター養成プログラムを実施する金沢大学やフィリピン大学との連携を希望した。

   修了式の終了後、「イフガオGIAHS持続発展協議会」のスペシャル・ミーティングが開催され、ゴハヨン・イフガオ州大学長が進行役、ハバウェル州知事が司会をした。今後の協議会の運営には、修了生たちも関わり、活動のすそ野を広げていくことが確認された。修了生たちが地域活性化のリーダーの一員として仲間入りをしたのである。

⇒9日(木)朝・金沢の天気   はれ


   




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