自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆ミサイルと違法操業、不漁の三重不安

2019年07月25日 | ⇒ニュース走査

       きょう25日午前5時34分と57分に北朝鮮が日本海に向けて2発の短距離ミサイルを発射したとメディア各社が報じている。6月30日にアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩党委員長が南北軍事境界線がある板門店で会談したばかりではないか。北は誰に向けて、なぜ威嚇的な行為に出ているのか。トランプ氏のツイッターをチェックしたが、まだコメントを記載していない(午後5時10分現在)。

   報道によると、2発はいずれも短距離ミサイルで、高度50㌔に達し、少なくとも430㌔を飛行して日本海に落下したと推定される。北朝鮮は5月4日と9日にも日本海に向けミサイルを発射している。なぜ再発射なのか。トランプ氏が「2、3週間以内」としていた非核化に向けた実務協議が実施されないことに対しての開催要求なのか。あるいは、アメリカと韓国が8月に予定する合同軍事演習に対する中止要求なのか。

   北の発射に関して別の見方もあるようだ。報道各社が北朝鮮国営メディアの引用として報じているのは、今月23日に金氏が潜水艦を視察する様子を掲載していて、これが潜水艦発射弾道ミサイルを搭載するために建造された新型ではないか、ということだ。独自に国防力強化にひた走っている動きの一環ともとれる。

   こうした一連のニュースに不安を募らせているのは日本海で操業する日本の漁業関係者ではないだろう。6月からスルメイカ漁が始まりイカ釣り漁船が日本海で操業している。特に能登半島沖の大和堆(やまとたい)は好漁場とされ、周辺海域の日本の排他的経済水域(EEZ)には北朝鮮のイカ網漁船が違法操業を行っている。海上保安庁がきのう24日の会見で発表した数字によると、5月下旬以降で北の漁船による違法操業は625隻に上り退去警告を発したという。うち、放水による強制措置は122隻だった。 

   ただ、漁業関係者の間では、ことしのイカ漁は全体的に不漁なのだそうだ。北海道沖の武蔵堆(むさしたい)と行き来しながらスルメイカを追いかけている状態という。ミサイルと違法操業、そして不漁の三重の不安が漁業関係者を困惑させているのだ。

⇒25日(木)夕・金沢の天気     はれ時々くもり

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