自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆寒波の3連休 被災地・輪島に行く~下~ 

2025年02月24日 | ⇒ドキュメント回廊

  寝ているとグラリときた。地震だ。スマホをチェックすると、午前4時9分に石川県西方沖を震源とするマグニチュード4.9の揺れ。最大震度3は能登半島の羽咋市と志賀町など。自身が住んでいる金沢市は震度1だった。去年11月26日にも同じ県西方沖を震源とするM6.6、最大震度5弱の地震があった。一度目覚めると眠れなくなった。なにしろ、元日の地震では午後4時6分に震度5強の揺れがあり、その4分後の4時10分にM7.6の地震が2回連動して起き、震度7の大きな地震となった。それを思い起こすと「また来るのでは」と身構えて寝れなくなる。午前7時7分にも震度3の揺れがあり、午前中だけで震度1以上の揺れが8回も続いた。不気味だ。

   情報はライフライン、総持寺行きバス車体に「夜の地球」デザイン

  前回ブログの続き。寒波の3連休の初日(22日)に「顕著な大雪に関するに気象情報」が出された輪島市に、きのう往復で現地に行き、イベントを見物してきた。同市町野町で開催された一日限りのFMラジオの生放送。同市町野支所には住民も見学できる公開スタジオが設けられ、元NHKアナウンサーの女性とフリーパーソナリティの男性が司会を務め、地元の住民がゲスト出演していた=写真・上=。30分ほどだったが、自身も見学させてもらった。金沢から移住してきた農業者の若者は、「町野の人は意外と時間にうるさいですよ。寄り合いの集合時間の5分前に着いても、『遅い』としかられるんですよ」などと地元ネタで盛り上がっていた。

  放送時間は午前10時から午後3時までの5時間だったが、主催した団体「町野復興プロジェクト実行委員会」では将来の開局を目指している。被災地のこうした臨時のFM放送は「災害FM」と呼ばれ、災害の軽減に役立つ情報を伝える目的で開局が可能。放送器材は総務省総合通信局から貸与される。被災者にとっては「情報こそライフライン」である。定期放送に期待したい。

  同市水守町にある輪島塗の仮設工房にタペストリーが掲げられていると地元メディア各社の報道(2月14日付)にあったので見てきた。仮設工房の入り口壁面に輪島塗作品や作家・職人の作業の様子をあしらった縦長の幕が飾ってあった=写真・中=。写真の右側は蒔絵師と塗師の夫妻のタペストリーのようだ。仮設住宅そものもはカタチも色も均一なので面白さがない。こうしてタペストリーで自己表現ができるのかと、初めて見て気づかされた。タペストリーは、セイコーエプソン(長野県諏訪市)が同市役所に提供した大型プリンターで作製したもの。行政では「復興デザインセンター」をすでに整備していて、タペストリーを情報発信の一つとして今後活用していくようだ。

  最後に驚いたことを。先月25日付のブログで取り上げた輪島塗の地球儀、作品名「夜の地球 Earth at Night」。それが輪島市内を走っていたバスに車体に描かれていた=写真・下=。追いかけて停車したところで撮影した。時刻表をチェックすると、このバスは「輪島駅」と「門前・総持寺前」のバス停を往復している。総持寺は禅寺で修行僧が世界から集っている。禅の言葉に「宇宙無双日(うちゅうそうじつなし)」がある。宇宙に太陽が二つないように、地球に自分は一人、自信をもって生きなさいと解釈されている。それにしても、総持寺行きのバスにこのデザイン、誰の発想なのだろうか。

⇒24日(月)夜・金沢の天気   くもり

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