自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆いつまで続く「機種安く、月々料金高い」ビジネスモデル

2020年09月19日 | ⇒メディア時評

   菅内閣の発足を受けて、メディア各社が世論調査を行っている。毎日新聞の調査では、内閣支持率が64%で、不支持率は27%を大幅に上回っている(9月18日付・毎日新聞Web版)。 朝日新聞社の調査は内閣支持率が65%で、不支持率は13%だった(9月17日付・朝日新聞Web版)。共同通信の調査でも支持率は66.4%、不支持率は16.2%だった(9月17日付・共同通信Web版)。3社の調査では支持率がおおむね65%とそろっている。

   菅総理はさっそく「公約実行」に動いているようだ。きょう菅氏は武田総務大臣と官邸で会談し、携帯電話料金の引き下げに向けて検討を進めるよう指示した。会談後に武田氏は「国民の生活と直結する問題なので、できるだけ早く結論を出すよう全力で臨んでいきたい」「1割とかいう程度では改革にならない」と記者に語った(9月18日付・共同通信Web版)。携帯料金の値下げについて、菅氏は官房長官時代の2018年に「4割程度下げる余地がある」と発言して注目された(同)。

   国の電波を管理しているのは総務省だ。携帯電話料金の値下げが進まなければ、おそらく電波利用料の見直しを迫るという「圧力」が携帯キャリア各社にかかるだろう。何しろ電波利用料は安価だ。携帯キャリアが国に納めている電波利用料は端末1台当たり年間140円。令和元年度でNTTドコモは184億円、ソフトバンクは150億円、KDDは114億円だった(総務省公式ホームページ「令和元年度 主な無線局免許人の電波利用料負担額」)。NTTドコモは国へ電波利用料184億円を納め、携帯電話の通信料としてユーザーから3兆943億円を売り上げている(2019年度)。

   自身のスマホの利用料金は通信料で年額ざっと6万円だ。キャリアが国に納める1台当たり年間140円で、個人がキャリアに払う年6万円となる。通信インフラの整備や維持費に多少のコストがかかったとしても、菅氏の「日本は世界でも圧倒的に高い水準で、4割は下げられる」の主張には納得する。

   その背景にあるのは、「機種は安く、通信料は高い」のビジネスモデルではないだろうか。携帯電話だけにとどまらない。プリンターもそうだ。これも自身の実感だが、自宅で使うプリンターを3万5千円で買った。インクは6種あり、メーカーの純正インクでぜんぶそろえると5千円ほどかかる。さらに最近実感するのだが、減りが早い。インク量を減らしているのではないかと疑っている。そして、先日、そのプリンターが一年も経たないのに故障した。修理より買った方が安価と電気店で言われ、買った。「機種は安く、インクは高く、機種交換も早い」というビネジネスモデルかと疑っている。

   使っているスマホも、自宅のWi-Hiをセットして動画など視聴しているが、いつの間にかWi-Hiが「OFF」になっていて、料金が高くなっていることがある。携帯キャリアが勝手に操作しているのではないかと、これにも不審に思っている。グチになってしまったが、スマホの利用料が果たしてどこまで下げることができるのか。菅内閣の手腕が試される。

⇒19日(土)朝・金沢の天気     はれ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ★テレビ局は追い詰められた出... | トップ | ★ウイズコロナ+デジタル担当... »

コメントを投稿

⇒メディア時評」カテゴリの最新記事